2011年4月29日(金) - マタ・レアル(パッソス・デ・フェレイラ)
Pacos Ferreira
2
1-1
1-0
1
Vitoria Guimaraes
レオネウ・オリンピオ(PK)
カエターノ
45+4'
85'
得点者
18'

ファウジ



ポルトの優勝が既に決まっているリーガ・ゾン・サグレス。残る注目点は残留争いに加えて、5位に与えられる最後のヨーロッパリーグ出場権争いだ。

その直接対決となった8位パッソス・フェレイラと5位ヴィトーリア・ギマランエスのカード。本拠地で戦ったパッソス・フェレイラが終了間際に逆転ゴールを決め、6位に浮上。残り2試合となってさらに争いを過熱させる結果となった。

パッソス・フェレイラは非常にまじめなチームだ。献身的な選手が多く、組織的な連携でサイドを崩すプレーが得意。しかし個人個人のクオリティは高くはなく、確固とした点取り屋がいない。

左はマリオ・ロンドンとピッツィを近づけてコンビネーションを作って、右はショートパスの連携で崩して、という攻めでチャンスメイクはうまく行っていた。しかし前線の中央ではフィジカルで後れを取ってボールが収まらず、クロスは精度がなく、ペナルティエリアに選手がいない。最終ラインもちょこちょことミスがあり、ピンチを招く。非常に「惜しい」サッカーになっていた。

そんな中で18分、相手に先行を許してしまう。アンデルソンがオーバーラップから出してきたスルーパスを、コエネがスライディングでブロックに行ったものの、大きく蹴り出せず。しかも裏に飛び出してきていたファウジの足元に送ってしまったのだ。これが失点になり、苦しい展開となった。

だが、前半終了間際にパッソス・フェレイラに追い風が吹いてきた。45分、再び裏に飛び出してきたファウジとカッシオが交錯。このプレーを主審はシミュレーションと判定。30分にも同じような形で警告を受けていたファウジが退場となったのである。

さらにその直後、隙を狙って攻撃を仕掛けたパッソス・フェレイラに大チャンスが訪れた。マリオ・ロンドンが右から切れ込んでペナルティエリア内にパスを送り、そこに詰めたレオネウ・オリンピオがクレーベルに倒された。これでペナルティキックを獲得し、同点に持ち込むことに成功したのだ。

後半は一人多くなったこともあってボールは保持できるようになり、パッソス・フェレイラらしいピッチを広く使った教科書のようなビルドアップを見せた。しかし前述の決め手不足が響き得点を奪えず、徐々に間延びして個人能力に勝る相手にやられる場面も増加。

パッソス・フェレイラのチャンスは失われたかと思われた。しかし、そこで力を発揮したのが元ポルトユース、このチームでは貴重な「個人で違いを作れる」選手、途中出場のカエターノであった。右サイドからバイアーノのクロスが入り、マリオ・ロンドンが落とすも、ジョアン・パウロに当たって高く浮いてしまった。そのボールの落ち際をカエターノがアクロバティックな背面ヒールキックで叩き、ゴールに流し込んだのである。

時間は85分。芸術的で劇的な逆転ゴールで、パッソス・フェレイラが貴重な勝ち点3を奪取した。

(筆:Qoly編集部 K)


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