2011-12 欧州クラブの補強戦略を占う!! vol.2 (ユヴェントス編)

日々、様々な移籍、退団の話が飛び交う中、Qoly編集部ではその情報を吟味した上で、大胆にも来季の欧州クラブの補強戦略を占ってみることにした。第二弾はユヴェントス編!!

今季を振り返る

2010-11シーズンは、復権の基盤作りの時期として、デル・ネーリ、マロッタ体制でスタートしたユヴェントス。夏のメルカートでは、相思相愛が伝えられていたクラシッチを獲得し、さらにクアッリャレッラ、ペーペ、アクイラーニ、ボヌッチといったトップクラスの選手らを加えた。新戦力の活躍もあり、12月には一時的にリーグ戦で2位にまで浮上したものの、負傷者の続出、新戦力が多いが故に試合ごとのパフォーマンスに安定感が無いなど、好調を持続出来ず、徐々に順位を落とし始める。状況を好転すべく、冬のメルカートでは、トーニ、マトリ、バルザーリらを加え、4-3-3システムを導入するなど試行錯誤を続けたが、残念ながらどれも特効薬とはならなかった。

結果、今シーズンのユヴェントスは、カンピオナート、ヨーロッパリーグ、コッパ・イタリアといった主要大会全てにおいて結果を残せず。来季へ向けた現実的な目標は、ヨーロッパリーグの出場権獲得となっている。

来季を展望する

11/12シーズンのユヴェントスを展望するには、現状どの監督が来季のチームを率いるのかが不確定な点が難しい。マッツァーリ、マンチーニ、ビラス=ボアス、スパレッティ、リッピなど複数の監督候補の名が挙がり、デル・ネーリ残留の可能性もある。そのため、ここでは単純に現有戦力のウィークポイントから補強ポイントを考え、獲得が噂される選手を元に、来季のユヴェントスを予想してみたい。

まず、ここ数年弱点とされてきているSB。特に右SBは、しばしばプリマヴェーラ登録のセーレンセンが起用されるなど、どの選手もトップレベルに達しておらず、大きな弱点となっているが、ここにはホッフェンハイムでキャプテンを務めるアンドレアス・ベックが任されることになるのではないかと見られている。攻守に万能性を見せるこのドイツ人の加入が実現すれば、クラシッチと共に形成される右サイドは、大きな武器になる可能性を秘めている。次に左SBだが、ここは今季長期離脱でシーズンを棒に振ったデ・チェーリェがいる。また、度々獲得の話が出ているリヨンのミシェウ・バストスを獲得出来れば、両サイドにワールドクラスのサイドアタッカーを配置する布陣が完成し、中盤での起用も計算できるバストスは、戦力充実度を飛躍的に向上させるはずだ。

続いて中盤に目を向けると、今季リヴァプールからレンタルで加入し、ゲームメイク役を担ったアクイラーニの完全買い取りに成功できるか否かが鍵となってくる。多くのティフォージも残留を望む彼を買い取った上で、ターゲットとされるピルロもしくはモントリーヴォを加え、より攻撃的なスタイルを目指すか、マスケラーノという一流のインコントリスタをレジスタのサポート役として置き、バランス型布陣を目指すか。獲得出来た選手によって2つのパターンが考えられる。そして、その場合、フェリペ・メロやシソコを放出する必要は出てくるだろう。

最後にFW陣。このセクションでも、マトリ、クアッリャレッラのレンタル加入組の去就がポイントとなる。特にマトリは攻撃の軸として十分なレベルに達しており、完全移籍を達成できれば一番の補強となるだろう。他の獲得候補にはジラルディーノらプリマ・プンタの名も挙がっているが、現在の陣容を見た場合に面白いのは、やはり新たなセコンダ・プンタを加えること。ローマからミルコ・ヴチニッチの引き入れも噂されているが、最も旬な選手で言えば、ブラジルの新たな才能ネイマール。彼を獲得できれば、単調な攻撃に終始しがちなユヴェントス攻撃陣に、極上のアクセントを与える存在となってくれることは間違いなし。無論、その高額な移籍金や競合クラブの存在など、障壁はいくつも存在するが・・・。

入団候補リスト

ポジション 名前 生年月日 国籍/代表歴 現所属 予想市場価格 入団の可能性 備考
CF アルベルト・ジラルディーノ 1982年7月5日 イタリア代表 フィオレンティーナ 1800万竄ャ 40%
ST/CF/WG ジュゼッペ・ロッシ 1987年2月1日 イタリア代表 ビジャレアル 2000万竄ャ 20%
ST/CF ミルコ・ヴチニッチ 1983/10/1 モンテネグロ代表 インテルなど 2500万竄ャ 10%
ST/CF ネイマール 1992年2月5日 ブラジル代表 サントス 1800万竄ャ 10%
ST/WG/CF/SH ニクラス・ベルクロート 1992年1月19日 スウェーデンU-19代表 イェーテボリ 80万竄ャ 10%
SH/WG/SB ミシェウ・バストス 1983年8月2日 ブラジル代表 リヨン 1550万竄ャ 60%
ST/OH/WG セバスティアン・ジョヴィンコ 1987年1月26日 イタリア代表 パルマ 700万竄ャ 20% レンタルバック
CH/OH リッカルド・モントリーヴォ 1985年1月18日 イタリア代表 フィオレンティーナ 1850万竄ャ 30%
DH/CH/OH アンドレア・ピルロ 1979年5月19日 イタリア代表 ミラン 30% 契約満了
DH/CH/CB ハビエル・マスケラーノ 1984年6月8日 アルゼンチン代表 バルセロナ 2500万竄ャ 20%
SB アンドレアス・ベック 1987年3月13日 ドイツ代表 ホッフェンハイム 600万竄ャ 70%
SB マッティア・カッサーニ 1983年8月26日 イタリア代表 パレルモ 750万竄ャ 20%

退団候補リスト

ポジション 名前 生年月日 国籍/代表歴 噂される移籍先 予想市場価格 退団の可能性 備考
CF/ST アマウリ 1980年6月3日 イタリア代表 セリエAのクラブ 1000万竄ャ 50% パルマへローンアウト中
ST/OH/WG セバスティアン・ジョヴィンコ 1987年1月26日 イタリア代表 パルマなど 700万竄ャ 30% パルマへローンアウト中
ST/CF/WG/SH ヴィンチェンツォ・ヤクインタ 1979年11月21日 イタリア代表 トッテナムなど 1150万竄ャ 70%
ST/CF/WG/SH ファビオ・クアッリャレッラ 1983年10月31日 イタリア代表 ナポリ 1200万竄ャ 50% レンタルバック
SH/WG シモーネ・ペーペ 1983年8月30日 イタリア代表 ウディネーゼ 900万竄ャ 50% レンタルバック
CH/OH/SH アルビン・エクダル 1989年7月28日 スウェーデン代表 セリエAのクラブ 400万竄ャ 60% ボローニャへローンアウト中
CH/DH フェリペ・メロ 1983年8月26日 ブラジル代表 R・マドリーなど 1650万竄ャ 40%
CH/DH モハメド・シソコ 1985年1月22日 マリ代表 R・マドリーなど 1250万竄ャ 60%
SB/CB/SH マルコ・モッタ 1986年5月14日 イタリア代表 ウディネーゼ 600万竄ャ 80% レンタルバック
SB/SH アルマン・トラオレ 1989年10月8日 元フランスU-21代表 アーセナル 300万竄ャ 80% レンタルバック
GK ジャンルイジ・ブッフォン 1978年1月28日 イタリア代表 マンチェスター・Uなど 2500万竄ャ 20%

※リストは記事作成時現在の情報を元にしています。

(筆:Qoly編集部 Y)

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