12月21日、韓国サッカー協会はチェ・ガンヒ氏を代表監督に招聘したと発表した。
しかしチョ・グァンレ前監督を解任したプロセスに問題があったことが明らかとなり、会議を経ずに監督本人に辞任を要請したファンボ・カン技術委員長の行動には批判が相次いだ。さらに今回の決定の過程にも多くの問題点が明らかとなっている。
かつて大分トリニータで監督を務めたことでも知られるファンボ・カン技術委員長
朝鮮日報のホ・ジョンホ記者は今回の監督交代劇を批判する趣旨のコラムを掲載し、「チェ・ガンヒにはいくら感謝をしても足りない」と延べた。
「大韓サッカー協会は21日午前、ソウルで技術委員会を開き、全北現代のチェ・ガンヒ監督を国家代表チームの指揮官に任命するとファンボ・カン技術委員長が発表した。
当初“代表監督には興味がない”と話していたチェ・ガンヒ。しかし協会の再三の要求に、ついに白旗を揚げてしまった。とはいえ疑問点は一つや二つではすまない。
まず、発表されたのにまだ契約期間が明らかではない。2月のクウェート戦までなのか、それとも最終予選までなのか、ファンボ・カン委員長は『代表監督にチェ・ガンヒ氏を推薦した』としか言わなかった。
チェ・ガンヒが代表監督に選任されたのは、この日に決定されたことではない。ファンボ・カン技術委員長は『三回ほど会って、ずっと説得をし、最後にようやく承諾を受けた』と、この日開かれた委員会以前に決定されていたことを示唆した。なのに、『私は推薦しただけだ』としか言わない。
つじつまが合わない。
チョ・グァンレ前監督が更迭された後、13日に初めて新たに招集された技術委員会が開かれ、新監督についての話をした。当時は候補リストの話も出なかった。“どのような監督を選ぶか”程度の意見を交わしただけだった。
20日になっても、委員はチェ・ガンヒ内定の事実を全く知らなかった。つまり、21日の委員会でチェ・ガンヒ監督の推薦が決まったわけではない。既に描かれていた道筋に対してOKを出しただけなのだ。『代表監督はやらない』と言っていたチェ・ガンヒに圧力をかけて作り出された道筋だ。まるで“白衣従軍”(地位を持った人物が、意図を持って一兵卒として戦いに参加すること)である。
チェ・ガンヒは、過去数年間でKリーグ最強を誇った全北現代を創り上げ、今年はレギュラーシーズン、プレーオフを合わせてわずか3試合しか負けなかった。チェ・ガンヒにはいくら感謝をしても足りない。また、昇格、降格制度が実施される重要な2012年のシーズンに向けて、偉大な監督を“奪う”形となった全北現代のサポーターには謝罪しなければならない。
しかし、ファンボ・カン技術委員長はただ『全北現代のイ・チョルグン会長、そして現代自動車の関係者の皆様に感謝する』と延べただけだ。そして『チェ・ガンヒは本当に韓国サッカーのために力になりたいと言っていた』と自分たちの責任を回避した。浅はかな考えだ。
チョ・グァンレ前監督の更迭も、チェ・ガンヒ監督の選任も、全て密室の中で行われた。どうしようもない話だ。さらに結果に対して責任逃れをしようとする態度にはうんざりする」
(筆:Qoly編集部 K)
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