ホスト国としての意地を見せたいが・・・

代表史上初となるユーロ本戦に臨むウクライナ。今大会は、開催国ということはもちろんのこと、2006年にW杯に出場した当時の指揮官であるオレグ・ブロヒンが率いていることもあり、国民からの期待は厚い。スウェーデン、イングランド、フランスと実力者がひしめくグループリーグに振り分けられたとは言え、決勝トーナメント進出を望む声は大きいだろう。しかし、その大願成就は一筋縄ではいかないというのが現状だ。

サイドバックや中盤には、攻撃意識の高い選手が積極的に起用されるなど、昨年にブロヒンが代表監督に就任して以降、前への意識が強いチームへとシフトチェンジしてきたが、ディフェンスラインの人選は定まらず、これまで武器としていた守備力は低下。また、前線はシェフチェンコの衰えなどもあり、絶対的な点取り屋が不在と、大きな問題をいくつも抱えている。

さらに、本大会直前になり、ブロヒンの頭を悩ましているのが正GK問題である。これまでウクライナ代表の顔として長らくチームを支えてきたオレクサンドル・ショフコフスキーは肩靭帯損傷により出場不可。第二GKのアンドリー・ディカンも頭蓋骨と頬骨の骨折から回復しておらず、こちらも選考外に。つまり、第一、第二GKを欠いた状態で大舞台に挑まなくてはならないのである。おそらく、本大会では2010年のW杯予選でゴールマウスを任されていたアンドリー・ピャトフが起用されることになりそうだが、今季はリーグ戦における出場はわずかに9試合と不安あり。コヴァル、ゴリャイノフのいずれも代表キャップは寂しいもので、なかなか信頼が置けない状況だ。

重要なのは本大会までの準備か?

15日から24日までのトルコでトレーニングキャンプを実施し、下記のメンバーからの絞り込みを行うが、その後に予定されている三試合の親善試合がカギを握っているだろう。

本大会直前の試合というものは常に重要なものであるが、スターティングメンバーが定まっていない彼らにとってその重要度は人一倍。遅くともこの期間中には、ゴールキーパー、ディフェンダーの取捨選択を済ませ、不安点をなるべく払拭した状態で晴れの舞台に挑めれば、少しは可能性を見いだせるかもしれない。

#名前所属クラブ生年月日身長/体重
GK
1 マクシム・コヴァル
(Maksym Koval)
ディナモ・キエフ 1992/12/9 189/86
12 アンドリー・ピャトフ
(Andriy Pyatov)
シャフタール 1984/6/28 190/87
23 オレクサンドル・ゴリャイノフ
(Oleksandr Goryainov)
メタリスト・ハルキフ 1975/6/29 188/77
DF
2 エフゲン・セリン
(Yevhen Selin)
ヴォルスクラ・ポルタヴァ 1988/5/9 185/75
3 エフゲン・ハチェリディ
(Yevhen Khacheridi)
ディナモ・キエフ 1987/7/28 195/82
5 オレクサンドル・クチェル
(Oleksandr Kucher)
シャフタール 1982/10/22 184/77
13 ヴヤチェスラフ・シェフチュク
(Vyacheslav Shevchuk)
シャフタール 1979/5/13 184/72
17 タラス・ミハリク
(Taras Mykhalyk)
ディナモ・キエフ 1983/10/28 185/77
20 ヤロスラフ・ラキツキー
(Yaroslav Rakytskyi)
シャフタール 1989/8/3 180/70
21 ボグダン・ブトコ
(Bohdan Butko)
イリチヴェツ 1991/1/13 182/72
MF
4 アナトリー・ティモシュチュク
(Anatoliy Tymoshchuk)
バイエルン
(GER)
1979/3/30 181/70
6 デニス・ガルマシュ
(Denys Harmash)
ディナモ・キエフ 1990/4/19 186/75
8 オレクサンドル・アリエフ
(Oleksandr Aliyev)
ディナモ・キエフ 1985/2/3 173/72
9 オレグ・グセフ
(Oleg Gusiev)
ディナモ・キエフ 1983/4/25 179/74
14 ルスラン・ロタン
(Ruslan Rotan)
ドニプロ 1981/10/29 174/67
18 セルギー・ナザレンコ
(Serhiy Nazarenko)
タフリヤ・シムフェロポル 1980/2/16 176/72
19 イェフゲン・コノプリャンカ
(Yevhen Konoplyank)
ドニプロ 1989/9/29 176/69
FW
7 アンドリー・シェフチェンコ
(Andriy Shevchenko)
ディナモ・キエフ 1976/9/29 183/72
10 アンドリー・ヴォロニン
(Andriy Voronin)
バイエルン 1979/7/21 179/75
11 アンドリー・ヤルモレンコ
(Andriy Yarmolenko)
ディナモ・キエフ 1989/10/23 185/72
15 アルテム・ミレフスキー
(Artem Milevskiy)
ディナモ・キエフ 1985/1/12 190/83
16 エフゲン・セレズニョフ
(Yevhen Seleznyov)
ディナモ・キエフ 1985/7/20 187/87
22 マルコ・デヴィッチ
(Marko Devych)
メタリスト・ハルキフ 1983/10/27 185/74

なお、リザーブメンバーとして、ボグダン・シュスト(シャフタール)、アルテム・フェデツキー(カルパティ・リヴィフ)、オレクサンデル・ヴォロヴィク (メタルルグ・ドネツク)、マクシム・カリニチェンコ(タフリヤ・シムフェロポル)、ロマン・ベズス(ヴォルスクラ・ポルタヴァ)、アントン・シンデル(タフリヤ・シムフェロポル)、エジマール(メタリスト・ハルキフ)、オレクサンドル・コフパク(アルセナル・キエフ)の8名が選ばれる。

フォーメーション


(筆:Qoly編集部 T)

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