打倒スペインを果たす時
2006年のW杯終了後にヨアヒム・レーフがドイツ代表監督の座に就いて以来、2008年のEUROでは準優勝、2010年のW杯では3位と確実に成績を残してきたドイツ。もはや優勝候補という看板も板に付いてきた。
これまでEURO、W杯と二大会に渡ってドイツ国民の願いを砕いてきたライバル、スペイン撃破の可能性は確実に高まっているが、相対するには準決勝進出が必須。まずは、グループリーグで、ポルトガル、オランダ、デンマークを確実に叩き、世紀の一戦をセッティングしたいところだ。
攻守両面に抜かりなし
高い位置からのプレスをきっかけに始まるショートカウンターの切れ味は列強相手にも致命傷を与えられるレベルにあるだけではなく、整備された守備ブロックを敷いた相手でも確実に仕留められるポゼッションサッカーも高品質。今大会の予選では10戦負けなしで首位通過を果たしたが、彼らが上げた34得点というゴール数を見てもその破壊力は推し量れるだろう。
また、守備陣も一昨年のW杯と比べ、メンバーの人選に多少の変化はあったが、不動のレギュラーにのし上がったマッツ・フメルスやジェローム・ボアテングの実力に疑いの余地はなく、どこか心許なかったホルガー・バートシュトゥーバーも今季大成長。重鎮フィリップ・ラーム、世界最高クラスの守護神マヌエル・ノイアーらW杯組も含めた堅固なDFラインは参加国の中でも屈指の守備力と言える。
そして、今大会の“マンシャフト”には、ミロスラフ・クローゼ、バスティアン・シュヴァインシュタイガー、フィリップ・ラームら経験豊富なプレーヤーもしっかりと名を連ねているが、触れておきたいのは“新しい力”の台頭だ。シーズン終盤に怪我から復帰したマリオ・ゲッツェやボルシアMGを牽引したマーコ・ロイスはチームの最終兵器となり得る存在。W杯南アフリカ大会ではトーマス・ミュラーが期待以上の力でチームの勝利に貢献し、自身も大会得点王に輝いたが、大きな国際大会ではこのような新しい力は必要不可欠。大舞台での経験値は少ないが、彼らが本来の能力を発揮さえしてくれれば、優勝に向けての加速装置を担うだろう。
なお、EURO2012に向けた代表メンバー23名は以下の通り。
# | 名前 | 所属クラブ | 生年月日 | 身長/体重 |
---|---|---|---|---|
GK | ||||
1 | マヌエル・ノイアー (Manuel Neuer) |
バイエルン | 1986/3/27 | 192/90 |
12 | ティム・ヴィーゼ (Tim Wiese) |
ブレーメン | 1981/12/17 | 193/91 |
22 | ロン=ローバート・ツィーラー (Ron-Robert Zieler) |
ハノーファー | 1989/2/12 | 185/73 |
DF | ||||
3 | マーセル・シュメルツァー (Marcel Schmelzer) |
ドルトムント | 1988/1/22 | 181/74 |
4 | ベネディクト・ヘヴェデス (Benedikt Howedes) |
シャルケ | 1988/2/29 | 187/78 |
5 | マッツ・フメルス (Mats Hummels) |
ドルトムント | 1988/12/16 | 192/90 |
14 | ホルガー・バートシュトゥーバー (Holger Badstuber) |
バイエルン | 1989/3/13 | 189/78 |
16 | フィリップ・ラーム (Philipp Lahm) |
バイエルン | 1983/11/11 | 170/65 |
17 | ペア・メルテザッカー (Per Mertesacker) |
アーセナル (ENG) |
1988/2/3 | 198/90 |
20 | ジェローム・ボアテング (Jerome Boateng) |
バイエルン | 1988/9/3 | 192/90 |
MF | ||||
2 | イルカイ・ギュンドーアン (トーlkay Gundoト歛n) |
ドルトムント | 1990/10/24 | 180/78 |
6 | サミ・ケディラ (Sami Khedira) |
レアル・マドリー (ESP) |
1987/4/4 | 189/85 |
7 | バスティアン・シュヴァインシュタイガー (Bastian Schweinsteiger) |
バイエルン | 1984/8/1 | 180/76 |
8 | メズート・エジル (Mesut Ozil) |
レアル・マドリー (ESP) |
1988/10/15 | 183/76 |
15 | ラース・ベンダー (Lars Bender) |
レヴァークーゼン | 1989/4/27 | 184/77 |
18 | トーニ・クロース (Toni Kroos) |
バイエルン | 1990/1/4 | 182/78 |
19 | マリオ・ゲッツェ (Mario Gotze) |
ドルトムント | 1992/6/3 | 171/64 |
21 | マーコ・ロイス (Marco Reus) |
ボルシアMG | 1989/5/31 | 180/70 |
FW | ||||
9 | アンドレ・シュルレ (Andre Schurrle) |
レヴァークーゼン | 1990/11/6 | 184/74 |
10 | ルーカス・ポドルスキ (Lukas Podolski) |
ケルン | 1985/6/4 | 182/83 |
11 | ミロスラフ・クローゼ (Miroslav Josef Klose) |
ドイツ | 1978/6/9 | 182/81 |
13 | トーマス・ミュラー (Thomas Muller) |
バイエルン | 1989/9/13 | 186/74 |
23 | マリオ・ゴメス (Mario Gomez) |
バイエルン | 1985/7/10 | 189/86 |
フォーメーション
(筆:Qoly編集部 T)