今夏、マラガからアーセナルへとやって来たサンティ・カソルラ。27歳のスペイン代表MFは卓越したテクニックを武器にすでにチームに欠かせぬ戦力になりつつある。そんなカソルラが新天地でのプレーについて語った『El Pais』のインタビューをお届け。

それによれば、カソルラは新人恒例の通過儀礼も経験したそうで、「『La Macarena』か『Chiquiliquatre』(スペイン人コメディアンのキャラクター?)をやらなきゃならなかった。フ~!死ぬかと思ったよ。3キロは体重が落ちたね」と笑顔で語り、今はホテルからトレーニングに通っているので「高価ではない」家を探している最中とも話した。また、同胞のアルテタに連れられ、日本食レストランにも行くそう。

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ー(ビジャレアル時代)ペジェグリーニにレクレアティボへローンで出された時、誰がプレミアリーグへ行くことを予想できたでしょう?

「行って帰るのもフットボールさ。レクレでの1年は僕のキャリアのなかで最も重要なものだった。そこで経験を積んでビジャレアルへ復帰した際、彼の信頼を得ることができたんだ」

「当時のビジャレアルは中盤に素晴らしい選手が揃っていて、自分がプレーするのは難しかった。ウエルバ(レクレアティボ)で大きく成長できたんだ」

ーイングランドのビッグクラブでプレーしている今はさらに重要だと感じていますか?

「変わらないと思う。今回のステップアップは重要だけど。タイトルを争うクラブに来たし、このリーグと新しい文化を楽しむのも目的のひとつさ」

ー外国人としてのプレッシャーは感じる?

「彼らは大きな額(1600万ユーロ)を支払った。自分に与えられた役割は嫌いじゃないよ」

ー最初はボールを呼んでいたけど?

「あぁ、適応しなくちゃならない。僕はチームゲームが好きなんだ。ヴェンゲルの哲学は試合をコントコールすることだし、僕はボールに触れることが好きだ。それに、監督は僕をセカンドトップ的なポジションに置いて、自由を与えてくれた。それを楽しんでいるよ」

ーリーガではしなかったことをしなくちゃいけない?

「(ここの)フットボールを理解するか、読み取らなくてはならない。アルテタから多くのアドバイスを貰った。(イングランド)フットボールはスピーディーだけど、リーガほど戦術的じゃない。よりピッチを往復するものだと」

「ミケルは僕に試合の見方を教えてくれて、僕らがもっと素早くプレーすれば、相手チームを脅かすことができるし、多くのPKを勝ち取れるってことを気付かせてくれた」

ーあなたは小柄で痩せています。イングランドの当たりはどうですか?

「当たりは変わらないけど、レフリーが流して試合を切らない。(プレミアのフィジカルコンタクトは)強くてアグレッシブだけど、誰かを傷つけようっていうような悪意は感じない」

ーイングランドのスタジアムの雰囲気は?

「より選手をリスペクトする空気があるね。何より印象的なのはいつでも満員なこと。ヘタフェ対レアル・マドリー戦を観に行ったヴェンゲルに同じマドリッド(に本拠地を置くクラブ同士の対戦)なのに半分ほどしか入場者がいなかったことに驚いたと言われたよ」

ーアンフィールドにある「This is Anfield」のパネル はもう見ましたか?

「うん。レイナからは“フットボールの殿堂”でプレーするということだって聞かされた。それから、『You’ll never walk alone』にも感銘を受けたよ」

ー英語のほうはどうですか?

「セスクも習った同じ先生のレッスンを受けてるんだ。言葉は自分にとって重要だろうし、週2回レッスンを受ける予定なんだ」

ー契約に際してヴェンゲルは何て?

「彼は嬉しいよって歓迎してくれて、僕をよりチームのためになるところで起用するって話してくれた。プレシーズンになるとさらに驚いたよ。 中に入ったりなどほとんど自由にプレーさせてもらえた。ヴェンゲルは僕をプレーメーカーとして起用した。よりポゼッションを得ようとしていた。アルテタ、ディアビ、ロシツキー、それから回復中のウィルシャーらと一緒ならもっとボールを持てるはずだよ」

ーアルテタはバルサのカンテラ時代のように“4番”に戻りました。

「だね。エヴァートンでも同じようなことをやったことがあると最近本人から聞いたよ。ヴェンゲルは彼にディフェンシブミッドフィルダーをやって欲しくて、実際バランスを取ることとボール奪取の両方を見事にやっている。それに彼のボールは素晴らしいんだ」

ータイトル争いは?

「勝者のメンタリティーに欠けるところがあるかもしれないけど、それは変える必要がある。でも、僕らは自分たちがやれることも、タイトル争いをできるチームだってことも確信しているよ」

ーアレックス・オックスレイド=チェンバレンについてはどんな印象?

「彼についてまだ多くは知らないけど、毎日のトレーニングを見る限り、素晴らしい将来が待ってるはずさ。まだとても若いので静かに見守ってやらなきゃ。彼には溢れんばかりの自信と何者をも恐れない図太さがある」

ーウォルコットは?

「彼は僕らがプレーするのに有効なスペースを生み出してくれる。非常にクオリティが高いね」

ーアンフィールドの試合ではポドルスキとは通じ合っているように見えたけど?

「彼はfenomeno(フェノメノ)さ。僕のことを大いに助けてくれる。彼はスペイン代表やバルセロナのプレーを賞賛して、アーセナルでもともに上手くプレーできればいいねと言ってくれたよ」

ーマラガでは何が?

「ちょっとしたカオスだった。財政的な問題で先行きが不透明だった。CL予選を勝ち抜くためにも、それらのことを忘れなきゃならなかった」

「“首長”(マラガの会長、シェイク・アブドゥラ)もマラガに熱心ではなくなった。情報がないので、説明するのも難しい。何か起きているのか説明してくれる人間は誰もいなかった。(5月にGMを辞任したフェルナンド・)イエロがいなくなってもはや話ができる人間は皆無になった。幸いにも事態は動くようなので、全てがうまくいくことを願ってるよ」

ー(マラガから)出ていくことを決めたのはいつ?

「アーセナルからオファーがきて、ステップアップすべき時期だと(思った)。マラガも状況が状況だったんで歓迎してくれた。このチャンスを掴むには理想的な年齢でもあったんだ」

ーどちらのクラブにとっても文句ない移籍だった。

「そう、珍しいことだよね」

ーモウリーニョがレアル・マドリー入りを阻止したというのは確か?

「(マドリーの?)何人かのスペイン人が僕を望んでいたって記事は読んだけどね。いずれにしろすでにアーセナルに決まっていたからそういう話はなかったよ」

ースペイン代表は全てを勝ち取りましたが、2014年ブラジルW杯に向けてモチベーションは?

「僕にとってW杯は大きなモチベーションになるよ、前回大会は代表入りを逃しているからね。でも、このチームにはブラジルでも南アフリカと同じようにプレーするだけの野心が常にあるんだ。とはいえ、まずは予選に集中しなくちゃいけない。(11日の)グルジア戦に勝たなくてはならない」

「(2014年W杯決勝が行われる予定の)“マラカナン”について誰かが話すのなんて聞いたことがないし、まだ先のことだよ。(来年の)コンフェデレーションズカップでプレーすることになるかもしれないけれど」

ー(2014年W杯でも)シャビと一緒にプレーできる?

「そう願っているよ、彼はチームの基盤だからね。ヒラメ筋に問題を抱えているけど、良好そうだし。いまのまま2年が経つことを願ってる」

ーW杯予選はフランスとの一騎打ちになりそうですね。

「理論的にはそうだけど、フットボールをあなどってはならないよ。フランスはすでにフィンランド戦に勝っているので、僕らもグルジアを倒さなければならない」

「監督もすべての試合が非常に大切になることは分かっているよ。フランスを注視しているのは事実だけど、彼らとグループ首位を争うにはまずは他のチームを打ち破らなきゃならない」

ー中盤の選手にとって、”偽9番”(0トップ)と古典的なフォワード(1トップ)とプレーする時の違いは?

「違いは選手を高めるものだよ。フェルナンド・トーレスとセスクやペドロは同じではないからね。フェルナンドは味方にスペースを作り出してくれる。彼は点取り屋さ。一方、”偽9番”はよりミッドフィルダーに近いのでポゼッションを高めることができる」

ーそのようなポゼッションは今夏のEUROで批判されました。特にフランス戦は。

「この問題は今やスペインなら素晴らしい試合をして、楽に勝利を収めるだろうと考えることに慣れた人間がでてきたということ。あの試合、フランスはリスクを犯す場面もあったけど、オープンに攻めることはしなかったので、僕らがうまく試合をコントロールできたんだ」



(筆:Qoly編集部 I)

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