多士済々の面子が出揃うが・・・

衰えを隠しきれないリオ・ファーディナンド、慢性的な怪我を抱えているネマニャ・ヴィディッチ、安定感には欠けるクリス・スモーリングとフィル・ジョーンズ、全幅の信頼を置くことはできないジョニー・エヴァンズと、センターバック陣に様々な問題を抱えるマンチェスター・ユナイテッド。

アレックス・ファーガソンは今夏の補強ポイントとして、パトリス・エヴラの後釜獲得を示唆する発言を行ったが、「実際、より必要なのはセンターバックの強化」とみる意見も少なくないだろう。

今回は、『caughtoffside』が掲載した、「問題解決のためにマンチェスター・ユナイテッドが獲得を検討するべき5人の候補たち」と題した記事を元に、補強候補たちをチェックしたいと思う。


マッツ・フメルス(ドルトムント)

欧州のビッグクラブが欲しがっているであろう、大型センターバックの一人。

「DFとは思えぬフィードセンス」、「圧倒的な高さ」、「沈着冷静な守備」はどれをとってもワールドクラス。ドルトムントがブンデスリーガ最高レベルのセンターバックをみすみす手放すことはないだろうが、可能であれば、多少のコストを費やしても招き入れたい逸材だ。

セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)

センターバックとサイドバックを高水準でこなす、スーパーなディフェンダー。

規格外のフィジカル能力を有しており、1vs1の強さとマーキングのハードさはリーガトップクラス。また、元々はサイドバックとして名を馳せた経歴を持っているように、攻撃センスにも秀で、ドリブルでの攻め上がりや上質のクロスボールも魅力を感じさせる。

ただ、ジョゼ・モウリーニョが彼の才能を高く買っている以上、移籍の実現性はかなり低いか。

アンジェロ・オグボンナ(トリノ)

イタリアのみならず、国外にもその名を轟かせつつある褐色のセンターバック。

ナイジェリアにルーツを持つ24歳のイタリア代表ディフェンダーで、驚異の身体能力をベースにした対人戦の強さは、欧州のトップクラスで十分に通用するレベル。また、プロデビューは左サイドハーフとして起用されていたように、ドリブル技術やパス能力などボール扱いにも長け、攻撃の起点としても計算できる点もストロングポイントの一つとしている。

トリノのクラブ事情を考えると、移籍の可能性は十分に考えられるが、競合相手は間違いなく登場するため、高額レースを覚悟する必要はあるだろう。

ブレーデ・ハンゲラン(フラム)

屈強なファイターが揃うプレミアリーグにおいても圧倒的な制空権を見せる、ノルウェーの巨人。

“ほぼ2m”の身長を一番の武器としているが、単に高いだけではない非常にクレバーなセンターバックで、インターセプトやカバーリングも安定感抜群。また、大柄ながらスピードやボールテクニックもあり、今やプレミアリーグでも最高峰のセンターバックにまで推されている。

31歳という年齢がやや気になるが、即効性を求めるのであれば、経験豊富で英国での戦いに慣れている彼のようなプレーヤーは打ってつけの人材か。予想される移籍金も800万ユーロと比較的リーズナブルと言える。

ラファエヌ・ヴァラヌ(レアル・マドリー)

「将来のフランスA代表候補」として目されている、才能豊かなティーンエイジャー。

2010-11シーズン途中に17歳という若さながらランスでレギュラーポジションを掴んだように、既に10代ながら体格は完成されており、フィジカル勝負や空中戦は不安なし。また、ポジショニングやボールコントロールも巧く、若さに似合わぬ落ち着いたプレーを見せるのも特徴だ。

昨季にレアル・マドリーが青田買いに成功しているが、現時点では、バックアッパーの域にあるため「完全買い取りオプション付きでのレンタル移籍」も視野に入れた交渉は可能かもしれない。ただ、19歳の若者に大金をはたくことは一種の投資とも言えるだけに、熟考に熟考を重ねる必要はあるだろう。


今回の人選では、年齢、経歴など、多種多様な顔ぶれが揃う形となったが、希望としてはマッツ・フメルス、セルヒオ・ラモス級。現実的に考えるならば、アンジェロ・オグボンナやブレーデ・ハンゲランと言ったところだろうか。

だが、個人的には、フィル・ジョーンズ、クリス・スモーリングの復帰を待ち、彼らに多くの実戦経験を積ませる策が最良のように思える。

「代表を引退したテリーの後任候補たち」でも触れたが、彼らの成長はイングランド代表の未来にも直結するだけに、今後のアレックス・ファーガソンの采配に注目したいところだ。

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