to ドレンテ
アンディ・ファン・デル・メイデ。サッカーファン歴が10年を超える者であれば、この名前は必ず覚えていることだろう。アヤックス時代に、ズラタン・イブラヒモヴィッチ、ラファエル・ファン・デル・ファールト、ヴェスリー・スナイデル、クリスティアン・キヴらと“第二期ヤングアヤックス時代”を彩り、その後はインテルでもプレー。オランダ代表としてはEURO2004に参加した経歴を持つなど、まさにこの世代を代表するウィンガーの一人である。
だが、彼の名前を知る者であれば、その凋落ぶりも既知の事実。2005年にはインテルからエヴァートンへ移るものの、それ以降はピッチ外での生活に大きな問題を抱えるようになり、第一線から瞬く間に撤退。最終的にはアルコール依存症が災いする形で、昨年を持って現役生活にピリオドを打った。
そして、その元となったのが、エヴァートン時代でのナイトライフであり、自身が後に「悪魔のようなリヴァプールの誘惑」と語るなど、まさに魔の手に埋もれていった日々。先日、『LIVERPOOLECHO』は、ファン・デル・メイトと同郷のロイストン・ドレンテが2011年8月に行った電話のやり取りを暴露したが、そのメッセージの中には自身の黒い経験談も盛り込まれていた。
「ロイストン、どうやらエヴァートンへの移籍が決まりつつあるみたいだな。でも、それは絶対にしちゃダメだ。お願いだからそれは絶対にやめて欲しい」
「リヴァプールには、僕らのような人間を誘惑する奴らがごまんといる。よくわからないうちに、ナイトクラブに引き込まれていくんだ・・・」
「バカルディが飛び交い、コカイン、女が溢れている世界だよ。ロイストン、よく考えろ、ミニスカを履いているイギリスの女が誘ってくるんだぞ・・・」
このアドバイスを受けたドレンテは、最終的には2011-12シーズン限定で(レンタルで)エヴァートンに所属し、21試合に出場して3得点を記録。現在は、ロシアのアラニアでプレーするが、先輩ファン・デル・メイデと同じようにイングランドで生活を送った後にバイオリズムを低下させた男の一人であると言えることは間違いない。今や「レアル・マドリーでプレーしていたことがある」と彼が語ったところでその話を信じない者も多いだろう。
リヴァプールという夢の土地で成功を掴む者と掴まずに屈する者。その分かれ道を決めるのはそれぞれの意志か。
(筆:Qoly編集部 T)
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