東京やマドリードとともに2020年の五輪招致を目指すトルコのイスタンブールで31日に発生したデモ。当初は市中心部の再開発計画に対する抗議であったが、政府が強硬姿勢をとったため、イスラム色が強いエルドアン政権を嫌う世俗派を巻き込んだ反政府運動に発展。抗議の運動は地方へも飛び火しており、既に1000人以上が拘束。五輪招致にも少なからず影響が出るとみられている。
日本人にとってはあまりピンとこない出来事であるが、今回のデモがいかに凄いのか、サッカー的に見ると非常にわかりやすい写真があったので紹介したい。
ガラタサライ(赤と黄)、フェネルバフチェ(黄と青)、ベシクタシュ(白と黒)という国内リーグの3強が揃うイスタンブールではお互いのサポーターが凄まじいライバル心を燃やしており、特にガラタサライとフェネルバフチェのライバル関係は世界的に見ても屈指の激しさを誇る。そんな3強のサポーターたちが、なんと手を取り合ってデモを繰り広げているのである。
もはや“世紀末”の感すら漂う今回の反政府運動。中東や北アフリカで相次いで政権交代につながった「アラブの春」に続く、「トルコの春」の始まりではないかとさえ言われる事態をレジェプ・タイイプ・エルドアン首相が収めることができるのか、世界中が注目している。