イラク 0-1 日本

89’ 岡崎慎司

 先日行われたオーストラリア戦で辛うじて引き分けることに成功し、ワールドカップ出場を決めた日本代表。予選最終節となるイラク戦はコンフェデレーションズカップへの準備として迎えることとなった。

手は抜かないと言っていたとはいえ、本田のコンディションや長谷部の出場停止を受けてメンバーを大きく変えたチームは、オーストラリア戦とは逆の展開を迎える。内容は非常に悪いものであったが、結果は最後の得点で0-1と勝利。結果だけは得ることに成功し、決定力だけを見せた。

この試合で勝たなければすべての希望が潰えるイラクは、序盤から激しいプレッシャーをかけていた。特に後ろから中に入ってくる縦パスを警戒し、常に中央へのコースを切って外に追い出すように促していた。

日本はそのペースを考えていないようにも思える圧力を反らすことができず、相手の狙い通りにボールは外へと追い出される。さらにトップ下に香川が入ったこととも相まって、無理に出しても時間が作れない。そうすると岡崎や清武が絞って受ける機会が少なくなり、香川、ハーフナーとの距離が開き、悪循環に陥った。

試合全体を通してそうであったが、イラクが休んだような状況になった時間帯以外は、ほとんど日本はペースを掴んでいられなかったと言っていい。カウンターの機会やクロスからのチャンスはいくつかあったものの、前半はイラクの裏への飛び出しが何度も成功しかけており、終盤はミスからの大ピンチが頻発。

最後で防げたのは頑張りがあったとはいえるが、はっきり言えば結果として無失点だったのは幸運であったとしか表現できない。終盤には香川を左サイドに移して中村をトップ下に投入、ハーフナーを諦めて前田を送り込んだが、流れはそう大きくは変わらなかった。

しかし試合の最後に大きなチャンスが巡ってくる。その前にアラー・アブドゥルザフラが退場していたことも影響し、日本が高い位置で攻撃を開始した時にはすでにイラクの守備はガラガラになっており、岡崎が中央を持ち上がって左にパス。サポートした遠藤が再び中に折り返し、岡崎がシュート。これがゴールに決まり、苦しい中からの数少ないチャンスを生かした形となった。

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