9月15日、AFP通信は「ヴィクトリアン・プレミアリーグのサザン・スターズFCに所属している9名の選手と監督が、八百長に関与した疑いで逮捕された」と報じた。
スイスに本拠地を置くデータ調査機関スポルトラダルから警告を受けたオーストラリアサッカー協会は、その24時間以内にヴィクトリア警察に情報を提供。その後行われていた捜査によって、サザン・スターズに所属していた10名が逮捕された。
またクレイトン・サウスで逮捕されたマレーシア人ゲリー・グスブラマニアン氏が、八百長シンジケートとの接触点になっていたと見られている。彼がサザン・スターズの選手についての情報を提供、試合操作の方法を指示し、その報酬を受け取ったと考えられている。
少なくとも5試合以上の結果が操作され、これに関わったシンジケートは200万ドル以上の賞金を受け取っているものとみられている。これはオーストラリアサッカー界史上最大級のスキャンダルとなる。
逮捕されたのは監督のザヤ・ユナン氏をはじめ、デイヴィッド・オバゼ、ニック・マッコイ、ジョー・ウーリー、リース・ノエルなどの9名。監督を除いた9名のほとんどはイングランドリーグのオフシーズンにオーストラリアへと移籍してきた選手であるとのこと。
サザン・スターズの会長を務めているエルカン・チチェク氏は八百長への関与を否定し、選手がスポンサーと資金を工面すると主張していたと話しているという。このことから、もともと選手たちは八百長シンジケートの意向によってサザン・スターズに送り込まれたものと考えられている。
オーストラリアン
エルカン・チチェク サザン・スターズ会長
「英国の選手たちは昨年電子メールを介して、無償でプレーしたいと接触してきた。我々は『ありがたいことだ、5名もの選手がタダでプレーしてくれるなんて』と思った。我々にとっては大きなボーナスだった。
予算は非常に絞られている。我々は選手に『給与を支払うことは出来ない』と言わなければいけない状況だった。彼らは言った。『OK、スポンサーは自分で工面する、お金を持っていく』と」
Aリーグは秋春制であるがヴィクトリアン・プレミアリーグは春秋制で、すでに21試合が行われている。サザン・スターズは現在最下位で、1勝4分け16敗、11得点54失点という結果になっている。
AFP通信
デイヴィッド・ギャロップ オーストラリアサッカー協会CEO
「テレビ放送による精査がない下位リーグの試合は、潜在的にこの種の活動の影響を受けやすいという事実を強調したい。
我々が言えることは、自分たちがこれらを検出するための活動を行っているという事実であり、正しい方向へと向かっているという証でもある」