“もうひとつのW杯”が開催間近。日本代表のために今できること

7月14日に幕を閉じたFIFAワールドカップブラジル大会に続き“もうひとつのWカップ”と呼ばれる「INASー世界知的障がい者サッカー選手権大会」がブラジルで、8月11日に開幕する。

1994年にオランダで初開催された同大会は今回で6度目を数え、日本代表の参加は4大会連続となる。2010年の南アフリカ大会では日本代表は出場11カ国中、10位の結果に終わっており、出場国枠が16カ国に増加した今大会では前回以上の成績を目指している。

日本国内での知的障がい者のサッカー人口は約5000人と言われており、日本代表に選抜された選手団、スタッフともに8月9日にブラジルに渡航予定。だが、障がい者スポーツを取り巻く環境は厳しく、特にパラリンピックの種目に該当しない知的障がい者サッカーは知名度が低く、助成金も乏しいため資金繰り問題は深刻だ。

日本知的障がい者サッカー連盟は、売上げ収益の全額が選手の渡航費に充てられる1枚3,000円(税込み)の応援Tシャツの販売や、ネット上で基金を募るなど、遠征費の捻出のために奔走しているが、目標額にはほど遠い。現状のままでは選手、スタッフともに渡航費、滞在費などの必要費用約800万円(数字は7月12日時点)を自己負担で賄ない、大会に参加しなければならない状況にある。

同連盟は選手達が大会に集中できる環境を整えるため、各所に支援を呼び掛けており、7月21日には横浜F・マリノスと、元サッカー選手を集めたFC INFINITOSの協力のもと「知的障がい者日本代表壮行試合」が、マリノスタウンAピッチにて開催される。

日本代表の対戦相手である、FC INFINITOS代表を務める松原良香氏は「今回の壮行試合の話をチームメイトにすると、皆から『是非やりましょう』という声が上がりました。私たちがプレーをすることで少しでも彼らの役に立てれば嬉しいですし、サッカーへの恩返しにもなる。それが私たち『チーム』のやりたいことです。今回、一枚でも多くチャリティーTシャツが売れ、彼らをサポートしたいということが全て。本大会でも日本代表として思いきってプレーし、ベストを尽くしてほしいです。我々も彼らとの対戦を楽しみにしています」と日本代表チームにエールを送った。

なお壮行試合の観戦は無料で、当日は約2000枚の応援Tシャツを配布予定とのこと。応援Tシャツは、日本知的障がい者サッカー連盟のサイト、日産スタジアムでも購入可能。

日本知的障がい者サッカー連盟HP
http://jffid.com/post-2366-2366.html

知的障がい者サッカー日本代表動画
http://youtu.be/AMuioG4YFtQ


筆者名:栗田シメイ

プロフィール:ライター・編集者。南米、アジア、中東、欧州と30ヶ国以上で取材を重ね、情報誌・広報誌・新聞・webサイトなどに寄稿。応援するチームは、アーセナルFC・サンパウロFC・ビジャレアルCF。
ツイッタ ー:@Simei0829

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