グループリーグ第1節の最後の試合となるヨルダン対イラク。
最近親善試合でサッパリ結果が出ていないヨルダンは、これまで使ってきた4-2-3-1ではなく、ウダイ・アル・サイフィを2トップに配置した中盤ダイヤモンド型の4-4-2を使用。
アハマド・ハイヤールが前線に残り、その周囲をウダイ・アル・サイフィとサリワー、時にバニー・アティヤーが絡んでチャンスを狙う。
ガルフカップで芳しい結果を残せず監督を代えたイラクも、ジャスティン・ミーラムやアハマド・ヤシーンではなくアラー・アブドゥルザフラを起用し、ボランチには守備がしっかり出来る2枚を置くという布陣で戦ってきた。
システムを強く意識しつつ守備を重点的に考え、前線の形を維持したままフマーム・タリクとアムジャード・ハラーフの両サイドを生かしたい形であった。
どちらかと言えばヨルダンは攻撃が、イラクは守備が機能したと言える前半であったが、互いに何が何でも点を取りに行くというほどの姿勢ではなく、0-0のままハーフタイムを迎えた。
イラクは昔ほどマフムードが「彼に預けておけば収めてくれる」ほどの選手ではないためあと一歩が足りず、ヨルダンも得点源のアハマド・ハイヤールにプレーさせる流れが乏しいところもあった。
後半はややイラクが優勢で進める場面が増加し、両チームともに守備のパワーが減少。しかしその中でも拮抗した展開は変わらず、なかなかゴールを奪えるほどの勢いはなかった。
だが77分、その状況を変えたのは個人の素晴らしいプレーだった。イラクのボランチを務めていたヤースル・カーシムがワンツーから飛び出してドリブルで強引に仕掛けてシュート。それがDFタリク・ハターブの足に当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれていった。
このゴールで先制したイラクが、リードを最後まで守り切って勝利。東アジア勢を得意とする反面、中東勢を比較的苦手にしているイラクにとっては、これは非常に大きい勝ち点3となる。