経済危機から未だ脱却しきれていないスペイン。

下部リーグの中には給料未払いが続くクラブがあるそうで、先週末、3部に相当するセグンダ・ディビシオンB グループ4で対戦したカルタヘナとルセナCFの2チームも給料が滞っているという。

そこで選手たちは考えた。この現状をどうにかする手段はないかと・・・。

こうした際には、選手が試合をボイコットすることがある。プロサッカークラブの主役が選手たちである以上、そうした選手たちが試合を棄権するということはオーナーや会長にとって重圧となるだろう。

しかし、選手たちはあくまでプロ。試合を楽しみにするサポーターたちもおり、プレーする機会を放棄するということは多方面へと悪影響を及ぼす。

そこでこの2チームはこんな手段に出た。

キックオフのホイッスルが鳴ると、両チームの選手たちは不思議な行動に出る。

ストライプのユニフォームを着たカルタヘナの選手は一列に並び、青いユニフォームを着たルセナCFの選手は両手を後ろにやり、両ひざをピッチにつけ小さくなった。

およそ40秒ほどのことであったが、これが彼らの「主張」であった。

試合を90分丸々放棄するのではなく、キックオフ直後に目立つ形でチームの団結を訴える。こうすることで、利害関係者に迷惑をかけずして首脳陣にメッセージを発することができる。

そして、選手たちのこうした手段をスタジアムに押し寄せたサポーターたちは拍手で応えた。試合をボイコットしていれば見られなかった光景である。

この主張が首脳陣を動かすかどうかはまだ分からないが、社会的責任の大きなプロサッカークラブとしての使命を最低限果たしての行動であった。

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