世界的名門マンチェスター・ユナイテッドには、78年間にわたって継続されている偉大なる記録があるそうだ。
英国『Mail Online』によればユナイテッドは1937年10月以来、行われてきた全ての試合のスカッドに最低1人はユース出身者が含まれているのだという。
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— Manchester United (@ManUtd) 2015, 9月 12
イングランドで最も成功したクラブ、マンチェスター・ユナイテッド。その歴史を紐解くと、いつの時代もチームには有能なアカデミー出身者がいた。
デイヴィッド・ベッカムやライアン・ギグス、ポール・スコールズ、また古くはジョージ・ベストやボビー・チャールトン、ダンカン・エドワーズもユナイテッドのユース出身であり、マット・バスビーやアレックス・ファーガソンといった稀代の名監督によってそれらの才能は開花した。
そんなユナイテッドでは80年近くにわたって全ての試合のスカッドにアカデミー出身者が含まれているのだという。
なんでも先月30日に行われたスウォンジー戦でユナイテッドは1-2と敗れたのだが、ベンチにはDFパディ・マクネアとGKサム・ジョンストンという2人のアカデミー出身者がおり、この試合がちょうどその3750試合目にあたったのだそう。
資金力にモノをいわせるクラブが増えてきたプレミアリーグにおいて、もはや「スカッド全員が他クラブから移籍してきた選手」という事態もそう珍しい話ではない。仮にユナイテッドが今年の10月までこの記録を伸ばせばその継続期間は78年になるそうだが、そうした現状を考えるとこの年月がいかに壮大なものであるかが分かる。
しかし、そんな伝統あるユナイテッドの記録が潰えてしまうかもしれないと同紙は指摘している。
というのも、ユナイテッドのルイス・ファン・ハール監督はこの夏、ジョニー・エヴァンズやトム・クレヴァリーといったユース出身者を放出しており、昨季出場機会のあったタイラー・ブラケットやアドナン・ヤヌザイといった選手たちもローンで他クラブに貸し出した。
今シーズンのトップチームに名を連ねているアカデミー出身者はマクネアとジョンストン、ジェシー・リンガード、アンドレアス・ぺレイラの4名しかおらず、ダビド・デ・ヘアの残留やアントニ・マルシャルの加入によってそういった若手選手がスカッドから漏れる可能性が高まっているようだ。
実際、先週末に行われたリヴァプール戦でメンバー入りしたアカデミー出身者はパディ・マクネア1人だった。ユナイテッドでは現在フィル・ジョーンズが負傷離脱中であり、仮にコンディションが万全であればマクネアの代わりにジョーンズがベンチ入りしていた可能性は十分にあったはず。
長きにわたって紡がれてきたこの歴史は、終わりを迎えることになるのだろうか?