チームの性格は?
ただし、この13得点0失点という成績が「実力がストレートに出ている」ものではないことは、試合を見ていた人々なら分かっているのではないだろうか?
アフガニスタン戦はハイライトを見れば分かるように、相手の守備があまりにも雑すぎた。早い時間に点を取ったことによって、組織を崩したことが大量点を導いたと言える。
そして1点しか取れなかったシンガポール戦について言えば、日本を封じた固い守備にシリアも苦しんだ。30分にはカウンターでハイルル・アムリに抜け出されて大きなピンチを迎えており、あれで失点していたら結果は大きく違っていたかもしれない。
再びの大勝となったカンボジア戦は、試合のフル動画を見れば分かるとおり、10分くらいまではほぼ完全に押し込まれていた。
シリアの強みが出ず、雑な縦パスを奪われて反撃を受ける。序盤は明らかにペースを掴めていなかった。
大量点に繋がったのは、29分にアル・サリーフからのロングボールからオマール・ハリビンがファインゴールを決めて先制し、その直後に相手のミスから追加点をプレゼントされたからだ。
これによってカンボジアは守備の組織力を失い、シリアはクロスとセットプレー、カウンターから得点を量産することに成功した形だ。
3試合を総合して見れば、決して安定して戦っていたわけではない。80%失点するような場面も何度かあり、浮き沈みも激しく、そして雑さも散見される。
その中で一つ勝利を導けている要因は、やはり「先制点を獲るべき時に獲っている」ことに尽きる。これで相手のペースを崩し、一気に押し切ってしまうのだ。
逆に言えば、それが日本代表に今もっとも足りないところなのだろうが……。