大阪で行われたリオデジャネイロ五輪最終予選を終えて帰国したベトナム女子代表の面々は、新シーズン開幕に向けて、それぞれの所属先に戻った。ディフェンスリーダーのグエン・ハイ・ホア(27歳)は最近、地元タイグエン省で菓子パンを路上販売している姿が目撃されている。
ベトナム女子リーグのタイグエンFCに入団し、すぐに頭角を現した彼女が代表チームの中心選手になるまで、さほど時間はかからなかった。その美貌も相まって、ベトナム女子サッカー界ではスター選手の1人と見なされている。
守備が本職の彼女だが、タイグエンでは主将も務め、重要な場面で得点に絡むことも多く、チームにとって替えが効かない選手だ。既にベテランの域に差し掛かっているが、代表でも相変わらず重要な役割を担っている。
しかし、タイグエンのような貧しい地域では、サッカークラブを維持すること自体が難しく、選手の生活も保証されていない。そのため、選手は若くして引退し第2の人生を歩む者が多いのだが、ハイ・ホアは違った。溢れるサッカーへの情熱と豊富な経験で若手の模範となり、クラブの存続にも大きく貢献している。そんな彼女だが、話してみると性格はいたって謙虚そのもの。
生計を立てるためにはサッカー以外にも仕事をしなければならないが、バクニン省の体育大学サッカー課を卒業した彼女でも、今に至るまで希望の仕事を見つけられずにいる。最近、彼女は地元タイグエン省で菓子パンの販売を始めた。持ち前の明るさや積極性、我慢強さもあり、今のところ商売は順調のようだ。
女子スポーツ選手が生活のために、こうした商売をするのは珍しいことではない。ベトナム女子サッカーの発展に貢献し、多くのメダルをもたらしたゴールデンガールズ(ベトナム女子代表)のグエン・ハイ・ホアでさえ、例外ではないのだ。
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