ベトナムメディアはこのほど、前ベトナム代表監督の三浦俊也氏(53歳)に東京でインタビューを行い、かつての教え子であるFWグエン・コン・フォン(水戸)とMFグエン・トゥアン・アイン(横浜FC)について話を聞いた。

三浦氏は2014年4月にベトナム代表監督(U-23代表兼任)に就任。同年行われた仁川アジア大会では、U-23代表を率いてチームを初のベスト16に導いた。このほか、東南アジア競技大会(SEA Games)の銅メダル獲得、AFC U-23選手権本大会への初出場、A代表では、AFFスズキカップ2014でベスト4に進出するなどの実績を残した。しかし、リオ五輪アジア最終予選を兼ねたAFC U-23選手権本大会の1次リーグ敗退の責任を取る形となり、2016年1月に解任された。

同氏はインタビューの中で、

「先日、グエン・コン・フォンと会って話したばかりだ。グエン・コン・フォンとグエン・トゥアン・アインが日本に移籍したのは歓迎すべきことだが、率直に言って2人が日本で成功するのは難しいと思う。日本のクラブでは、17、18歳の選手でもトップチームでレギュラー出場している者が多いが、ベトナムの2人はそんなに若手とも呼べない年齢(21歳)だ。ここからレギュラーに割って入るのはかなり難しいと言わざるを得ない」

と厳しい見方を示した。

水戸のグエン・コン・フォンは、ベトナムからの観戦ツアーが組まれた7月末のリーグ戦で初のスタメンを飾ったが、横浜FCのグエン・トゥアン・アインはリーグ戦で一度もベンチ入りしたことすらない状況が続いている(※大学チームが対戦相手となった先日の天皇杯1回戦では、ともにスタメン出場)。

三浦氏は、「ベトナムのメッシ&ピルロ」と称される二人のテクニックを高く評価しながらも、日本の同世代の選手と比べた場合、まだレベルの差は大きいとみている。特に劣っているのは、フィジカルと戦術眼だという。

三浦氏は現在、東京でサッカー解説者の仕事をしている。リーガ・エスパニョーラやセリエAの試合で解説を行うことが多い。収入はよく、仕事も楽しいが、指導者として現場復帰したい気持ちは強いという。

同氏のもとには最近、タイ1部バンコク・グラスから監督就任のオファーがあったと伝えられている。クラブとの話し合いの席も設けられたが、一部の条件面で双方が一致しなかったため、まだ実現には至っておらず、今はJリーグでの監督復帰の道を探っているところだという。

(C) CAND, 三浦俊也氏(左)とグエン・コン・フォン(右)

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