━━それらのフレーズを使った上で聞いてみたいことがあります。一人のサッカー選手として、直感的になんとなく「いいなぁ」と思えるチームの在り方やサッカーのスタイルなどはありますか?
岩政
外から見た時に選手の個性がピッチの中で出ているサッカーですかね。
選手の心理面から言えば、自分がやろうとしていることがピッチで表現しやすい環境とも表現できるかもしれません。
それぞれが自分のやりたいプレーをやっているけど、実は全体で見るとまとまっているというチームができれば、面白いサッカーができるなと思っています。
能登
僕も「自分が活きて周りを活かして」というサッカーが好きなので、意味は大樹さんと一緒ですかね。
そういう環境で練習が続いて、試合が続いて、気付いたら良い集団になっているというパターンが理想です。
岩政
まさにその通りで、「最終的にチームがまとまる」という感覚が大事。一人一人が大きくなれば、チーム自体も大きくなっていますからね。
でも、日本の場合、特にカテゴリーが下になるとそれがより顕著な印象ですが、先にフレームを決めてしまいがちなんですよ。
そうなると、その枠の中でしか選手はプレーできないわけで、選手が大きくなっても窮屈になり、チーム全体は大きくならない。だから、この順番がすごい大切だと思います。
━━「固定化させないようにする」という意味ですね。
岩政
そうです。
「理想のサッカーはなんだ?」という話になると、「ポゼッションサッカー」のような言葉が回答例でよく出てきますが、そういう形から入ってしまうと、日本人は固定化されやすいんですよね。
だから、日本のサッカーの場合は、選手が様々な絵を描きやすい環境を作り、そこから選ばすようなアプローチじゃないと「たぶん、ダメなのかな…」と今のところは感じていますね。