唐突な質問となるが、※内田(山崎)昂輔というプロサッカープレーヤーのことをご存じだろうか。

彼のプロキャリアは立命館大学卒業の大分トリニータでスタートしたが、2シーズンで契約満了となり、(当時JFL)FC琉球を経て、モンテネグロのFKグルバリに海外挑戦。以降もオーストリア、ラオス、バーレーン、インドネシアと様々な国を渡り歩き、現在はミャンマーリーグのヤンゴン・ユナイテッドでプレー。ACL出場の目標を達成すべく奮闘している。

ここまでの経歴を見れば察しの通り、彼のこれまでのサッカー選手としての人生はそうそう陽の目を浴びるものではなかった。いわゆる『アウトサイダー組』の代表格である。

しかし、その歩んできた半生は、王道的なキャリアを積み重ねる選手たちとは明らかに一線を画したもので、それ故に人を引き込むだけの魅力が十二分に詰まっている。

「自分のキャリアなんて、決して自慢できるものではないですよ(笑)」と、本人はこれまでの生き方を謙遜する。

しかし、多くのサッカーファン、そして、これからプロサッカー選手を目指す者たちにとって、そのストーリーの全てが感慨深いものになるだろうと、筆者は彼の話に耳を傾けながら感じた。

これまでの道のりは決して順風満帆なものではなかったかもしれないが、目標と真摯に向き合い、そして確実に歩を進める彼の生き様から何かを感じ取って頂けると幸いだ。

インタビュー・文:カレン

写真提供:内田昂輔

※現役中に登録姓名を内田から山崎に変更しているが、今回のインタビュー内では内田としている。


カレン(以下、太字――):「大学に入ってみたもののプランがまんまと崩れた」という話ですが…何があったのでしょうか?

内田昂輔(以下、省略):いざ、立命館に行ってみると、色々と難しいことが待ち受けていたんです。

というのも、教員資格を取るために教育実習で二週間くらい練習を抜けると、BチームかCチームでプレーした後、Aチームまで戻らないとダメで…。

━━なるほど。そういうシステムが…。

そうなると、関西選手権(関西学生サッカー選手権大会)、総理大臣杯(総理大臣杯全日本大学トーナメント)でプロ入りをアピールするチャンスがなくなるわけで、教員免許は教育実習以外は全て済ませておき、プロを目指すことに専念しました。