日本代表が悲願となる初出場を果たした1998年ワールドカップ・フランス大会。
大会直前、当時の岡田武史監督が日本サッカー界のスターであった三浦知良を外した一報は日本中に衝撃を与え、この決断が正しかったか否かは、20年以上が経過した現在でも未だ論争の的となっている。
大会では残念ながらグループステージ全敗と、世界との差を見せ付けられる形となった。しかしこのチームからはその屈辱をバネに中田英寿、小野伸二らが世界へと羽ばたいている。
彼ら以外にも優れた選手たちはいた。今回は、1998年ワールドカップの日本代表の中から「ワールドクラスの武器」を持っていた選手たちをご紹介しよう。
井原 正巳
かつてDFは日本人選手にとってウィークポイントだった。そのポジションで最初に国際舞台で戦える選手として認知されたのが井原であろう。
Jリーグ創成期のスターであり「ミスターマリノス」として知られた彼は、その圧倒的なリーダーシップと統率能力を武器に「アジアの壁」とも呼ばれたスーパーなDFだった。
彼が日本代表で記録した122キャップは、遠藤保仁(現ジュビロ磐田)に抜かれるまで歴代1位。1998年ワールドカップにもキャプテンとして出場している。
時代が時代なら、世界で活躍するDFになっていたかもしれない。しかし彼がアビスパ福岡の監督時代に見出した冨安健洋は、今や日本代表の顔となり、ビッグクラブが獲得を狙う存在となっている。