なでしこジャパンの東京五輪は、ベスト8という結果に終わった。

カナダ、イギリス、チリと同居したグループを1勝1分1敗で抜けた日本。準々決勝では「大会最強」の呼び声高いスウェーデンを相手に、先制されながら一度は追いつき、しかし後半押し切られる形で1-3の敗戦を喫している。

地元開催の五輪でメダル獲得を期待されながら、結果はベスト8敗退。高倉麻子監督の采配に疑問の声が上がる一方、フィジカル面を筆頭に欧米チームとの“明らかな差”が見えた大会とも言える。

フィジカルの差などは昨日今日生まれたものではない。これまでは積極的な海外遠征でその差を埋めるための努力が続けられてきたが、コロナ禍で海外へ出て行くことが難しくなり強化が停滞した面は否めない。

とはいえ、2019年ワールドカップのベスト16に続く早期敗退は、抜本的な改革の必要性を示している。

そうしたなか、日本初の女子プロサッカーリーグ「Yogibo WEリーグ」が今年9月に開幕する。

『女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する。』を理念とする同リーグは、3つのビジョンを掲げている。

  • 世界一の女子サッカーを。
  • 世界一アクティブな女性コミュニティへ。
  • 世界一のリーグ価値を。

いずれも現代に即したものだが、リーグの形としてなでしこリーグから大きく変化するのがシーズンだ。WEリーグは、9月開幕、5月閉幕のいわゆる「秋春制」が導入される。

昨年6月に行われたWEリーグの記者発表でJFA女子委員会の今井純子委員長は、秋春制を採用する理由として「代表を含む選手のパフォーマンス向上」や「海外とのスケジュール統一」による「指導者や選手の往来のスムーズさ」などを挙げていた。

特に競技レベルの向上に関しては、夏にサッカーを行うことのデメリットが男女問わずこれまでも頻繁に語られてきた。Jリーグにおいても「秋春制」のデメリットとして指摘されるのは主に運営面やファン・サポーターの観戦環境であり、選手の競技力向上を否定する人は少ない。

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危機感をもって、国内女子サッカーの最高峰でまずは導入されることになった「秋春制」。大きな一歩を踏み出す「Yogibo WEリーグ」は、日本サッカーのある種の試金石となりそうだ。

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