イングランド・プレミアリーグを戦うチェルシーの広報部門で、パワハラやいじめが横行していた事実が確認されたそう。
『New York Times』のレポートによれば、その原因となっていたのは2017年にチェルシーのマーケティングディレクターに就任したギャリー・トゥウェルヴツリー氏であったとのこと。
チェルシーの現従業員や元従業員12名にインタビューを行ったところ、その全員がトゥウェルヴツリー氏から脅迫や侮辱を受けており、単純な会議に出ることすら恐怖を覚えていたことを明かしたという。
また、今年1月にはチェルシーTVの元責任者であるリチャード・ビッグネル氏が自殺しており、それによって従業員の不安がさらに高まっていたそうだ。
ビッグネル氏は10年以上にわたってチェルシーTVの運営にかかわったあと、時代の変化からSNS向けのコンテンツ制作に転換しなければならなかった。
しかしながらその変化を行うなかでトゥウェルヴツリー氏との関係が悪化し、かなり激しい対立に発展したという。
2021年夏には体調の悪化から療養を余儀なくされ、9月に職場に復帰した直後に突然解雇されていたとのこと。
そしてチェルシーでの職を失ったことからうつ病に悩まされるようになり、ビッグネル氏は1月上旬に自ら命を絶っていた。
We are wearing black armbands today to remember our friend and colleague Richard Bignell.
— Chelsea FC (@ChelseaFC) January 23, 2022
インタビューに答えた従業員の一人は、「私は自分自身がかなり強い人だと思っている。チェルシーで働く前はメンタルヘルスについて心配することはなかった。しかしここに来てからはきちんと眠ることができず、どんどん状態は悪化していった」と証言していたという。
なお、今夏チェルシーはロマン・アブラモヴィッチ氏の手を離れてトッド・ベーリーというアメリカ人実業家に買収されている。
これらの告発を受けてチェルシーの新たな理事会は「外部に監査チームを任命した」と発表しており、今後の調査と改革が求められそうだ。