日本代表と国際親善試合を戦うエクアドル。チーム内で最も高い市場価値がついてるのが、モイセス・カイセドだ。
彼は三笘薫と同じブライトンに所属する20歳のMFで、プレミアリーグのビッグクラブも注視している逸材。
そのカイセドを育成したのは、エクアドルのインデペンディエンテ・デル・バジェだ。
同クラブのスポーツディレクターだったルイス・ロヒエロは、2021年の『New York Times』のインタビューでこんな話をしている。
「明確なビジョンがあった。
エクアドルには成長するチャンスを与えられていない才能ある選手たちが大勢いる。
クラブや連盟の援助があったからではなく、自分自身のためにやってきた選手たちだ。
そこで国内外のレベルで競い合えるクラブを作るために、自分たちで才能を見つけ、早くに見つけ出し、自分たちのやり方で育てることを考えた。
そのために、クラブはエクアドルで最も多くの選手を輩出している地区の調査を依頼した。そして、それぞれの地区に練習場を作った。才能ある選手を捕まえるための網だ。
その後、将来有望な選手たちはサンゴルキにあるクラブの主要トレーニング施設に集められる。
120人の若手選手たちが宿泊できるほか、学校も併設されており、チームのプレースタイルを叩き込む。
どういうプレーをしたいかという考えを構築し、それを生み出すためのトレーニング(技術、フィジカル、メンタル)を組み立てた」
インデペンディエンテは1958年創設だが、2007年に起業家グループが買収。当時は下部リーグに低迷していたが、上記の長期的計画が実を結び、2016年には南米最大のトーナメントであるコパ・リベルタドーレスで準優勝まで果たしている。
【関連】日本代表やばい!?エクアドル代表の市場価値が「スゴい10名」
ロヒエロ氏は、同クラブが個人所有であることで長期的な視野を持つことができるとも語っていた。ちなみに、エクアドルの人口は1700万人ほど。
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ