日本人選手がゴールした試合が大荒れになり、多くの死傷者が出る大惨事になった。
悲劇的な事件が起きたのは、インドネシア1部リーグのアレマ対ペルセバヤ・スラバヤ戦。
試合は山本奨の決勝ゴールでアウェイのペルセバヤが2-3で勝利した(アレマの山口廉史も途中出場)。
『Bola』などによれば、ホームで最大のライバル相手に23年ぶりの敗戦を喫したアレマのサポーターはそれを受け入れられなかったという。
敗戦直後に3000人ほどがピッチ上に侵入してパトカー4台を燃やすなど大暴れすると警察当局や警備員と衝突。
当局側から催涙弾が発射されるとサポーターたちはパニックに陥り、出口に殺到したことで押し倒されるなどしたようだ。
この混乱で120人以上が死亡。地元保健当局者は「120人以上が亡くなった。カオス、密集、踏みつけ、窒息で死亡した」と述べている。
この試合に出場したアレマのアベウ・キャマラは『CNN』のインタビューでこう話している。
アベウ・キャマラ(アレマFW)
「この試合は非常に伝統あるダービーで、単なる勝点3以上の試合だという雰囲気が今週は街中でも感じ取れた。
生きるか死ぬかの試合であり、この試合だけは絶対に負けてはならないと。緊張感を感じていた。
(試合前の時点で?)相手チームはピッチ侵入を受け、選手は殴られた。
この試合に向けて憎しみが沸き起こり、試合に勝つことよりも殺すことが話題になっていた。
敗戦後に僕らはファンに謝りに行った。彼らはフェンスに登りはじめたので、僕らはロッカールームに戻ったんだ。完全なカオスだった。
それから、銃声や押し合いへし合いが聞こえ始めた。
ガスや警察から逃げる人達がいて、ロッカールームに入ろうとする人もいたので、ドアを蹴破られないようにテーブルや椅子を置いた。
(それでも?)催涙ガスを浴びて、ロッカールームの僕らの目の前で死んだ人もいる。ロッカールーム内には7,8人ほど亡くなった人たちがいた。
全員が避難するまで、4時間もその場にいなければいけなかった。
静かになってスタジアムから出た時には血だまりがあり、衣類が散乱していた。まさに殺戮(現場)だった。
バスで出るときにも焼けた車、民間人、パトカーがあった。
いまは少し安心している。昨日はものすごい緊張状態で、家族や子供たちのことしか考えられなかった」
混乱が広がった理由のひとつには避難する前にスタジアムの照明が消されてしまったこともあるようだ。
なお、FIFAの規則では催涙ガスの使用は禁じられているようで、当局側の対応が問題になる可能性も指摘されている。
死者数については、現地でも127人、129人、131人とまだ情報が錯綜している。
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