現在スペインで大きな問題の一つになっているのが、バルセロナが審判技術委員会の副委員長にお金を支払っていたという事件だ。
この支払いは2001年から2018年まで17年間にわたって行われていたとされ、その支払先はホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ氏という元審判が経営する会社であった。
ホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ氏は70年代後半から審判として活動し、90年代前半に現場を離れ、それから長くスペインの審判技術委員会で重役を務めてきた人物。
彼の会社に対してはなんとバルセロナから総額700万ユーロもの資金が出されていたと伝えられており、その行方についても捜査が行われているという。
さらに、その支払はバルセロナの元取締役である故ジョゼップ・コントレラス氏が持つペーパーカンパニーを経由して行われており、彼は50%もの手数料を手にしていたとのこと。
また、2018年にはバルセロナの新会長ジョゼップ・マリア・バルトメウ氏がホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ氏の会社への支払いを辞めたのだが、その際にはホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ氏からバルセロナに脅迫の手紙が送られている。
その内容は、「もし支払いを続けないのならば、ジョゼップ・コントレラス氏が行ってきた72万8000ユーロ(およそ1億円)以上の横領を公表する」というものだったそうだ。
なお、現在ジョゼップ・コントレラス氏にはスペインサッカー連盟の内部で行われた2200万ユーロ(およそ31.4億円)規模の不正取引にも関与している疑いがかけられている。
このように様々な場所へと波及している問題であるが、『La SEXTA』によれば等のホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ氏は現在証言ができない状況にあるという。
弁護士の発表によればホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ氏は現在アルツハイマー病を抱えており、裁判官の前で話せる状況ではないとのこと。
また、アルツハイマー病であると認められた場合、この事件がもし有罪になったとしても刑事責任能力がないと判断される可能性があるという。
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当初はそれほど深刻に受け止められていなかったが、審判指名への影響、10億円をも超える支払い、さらにジョゼップ・コントレラス氏の資金流用疑惑と絡み、「バルサゲート」とも言われるスペインサッカーを揺るがす事件に発展しているようだ。