関東リーグでは同じ轍を踏まない

昨年開催の同大会初戦では東北の名門仙台大に0-1で敗退した法政大。そのときも試合終了間際の後半43分に被弾した。

「試合前は少しだけみんなに仙台大の話もして、『少し押している中で最後一発でやられた経験があったから警戒しよう』と話はしていました。試合に入ったら勝つことだけにこだわってやっていた」と昨年も8番を背負って先発した渡邉は、今大会では同じ過ちを繰り返さないよう努めていた。

だがラストワンプレーでの失点。決して法政大の守備が緩んでいたわけでもなければ、集中を切らさず激しく戦っていた。油断も慢心もなかっただけに、悔やまれる敗北となった。

「インカレ(冬の全日本選手権)出場権を取るために僕たちは大臣杯に懸けていた。試合が終わってから泣いてる選手も多くいましたし、あまり普段そういう姿を見せない選手もそういう姿を見せていたので…。本当にみんな大臣杯に懸けていたと伝わってきた。4年生という立場で、きょうはキャプテンマークを巻かせてもらいました。Jリーグクラブに内定した立場なので、本当にもっと上の景色をみんなに見させてあげたかったと、申し訳ない気持ちが強くあります」と唇をかんだ。

今大会も同じ轍を踏む形になってしまったが、名門法政大はただでは転ばない。現在関東学生リーグ1部では12チーム中10位と苦しい状況ではあるが、この敗戦を糧にして後期リーグ戦は反撃に打って出たい。

「ただこの大会を通して、やることをはっきりするとか、戦うところとかは、試合をやっていく中で全員が成長してきたと思う。すごくポジティブな大会だったと思っています。インカレでこの大臣杯の悔しさを晴らすために、(インカレ)出場権を取るためにも、突き詰めていくしかないです。リーグ戦が再開したら、そういうところを信じるしかないので、やっていこうと思います」

今大会で得た収穫と課題を突き詰めて関東で反撃の準備をする構えだ。