鳥栖を変えると決意を胸に

今年6月20日に鳥栖から渡邉の来季加入内定リリースが発表された。大学3年次の6月に鳥栖の練習参加で高評価を得たが、ケガの影響でシーズン初めのキャンプに参加できなかった。今年2月に開催されたデンソーカップも出場辞退したため、焦りはあったという。そして今年5月の鳥栖の練習に加わり、チャンスをつかむことができた。

渡邉は「(5月の練習参加)最終日にオファーをいただいた時はホッとした気持ちもありつつ、それ以上にポジションを取って今年中でもいいですし、来年の開幕戦でもいいです。早く鳥栖で活躍したいという思いはそのときからありました。嬉しい気持ちもありましたけど、それ以上に『やってやろう、自分が鳥栖を変えてやる』という強い気持ちを抱いたことを、いまでも覚えてます」と力強かった。

激しい球際の守備、判断のスピードも早く、危機察知能力も高い背番号8。自分自身のプレースタイルとチームの戦い方は「すごく合っている」と笑顔で口にした。

練習参加では自身のプレースタイルと似ている同じ大卒選手のMF河原創(福岡大出身)から大きな刺激を受けたという。

若くて才能があふれる選手が揃う鳥栖で活躍するには、より大きく成長しなければならない。残りの大学生活でさらなるレベルアップを目指している。

「大学サッカーの残り期間で、まだまだ成長させていきたい部分がある。いま同年代で代表に入っている選手や大学サッカーで最近のU-22代表に入った選手を見ると、何か1つはっきりとした特徴があると思う。自分もミドルシュートや、ゴールを取る特徴をもう1つ持たないといけない。地道にやるべきことをやれればいいと思っています」とさらなる進化を誓った。

渡邉が出場していた試合をYouTube配信で観戦していた鳥栖サポーターは複数人いるらしく、筆者の友人も「渡邉くんは鳥栖の未来!」と期待を寄せて観戦していた。背番号8にサポーターがこの試合を観戦していたと伝えると、「恥ずかしいですね。かなり恥ずかしいです(笑)」と凛々しかった表情が砕けた笑顔に変わった。

「優勝した姿を鳥栖サポーターの方々にも届けたかったという思いはもちろんあります。『きょう試合だよ』と法政のSNSから告知があるんですけど、そのときも鳥栖サポーターの方々がすごく反応していただけるので。そういう方々に見られているという意識は少なからずありました。その期待に応えられなかったことは、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ自分が目指している場所は、『いまはJ1で活躍する』こと。そこがいまの段階で1番上のステージだと思っています。この悔しさを忘れず、次は駅前不動産スタジアムでその悔しさを晴らせるプレーも見せたいですし、勝ちを届けたい思いがあります」と、渡邉は鳥栖サポーターに向けて意気込みを語った。

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法政大の頼れる背番号8は総理大臣杯に敗れたが、それ以上に大きな収穫を得たように見えた。この先の関東学生リーグ1部、インカレ、そしてJリーグでこの敗戦から得た成果を証明する。

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