――アジアで指導者として働くやりがいなどを感じていたら、おしえてください。

「外国人指導者として、異なる文化、異なる育成年代での指導を受けてきた選手たちを指導するのが、どれほど難しいのかを経験することが、指導者としての幅をどれだけ広げてくれるのかを、この2週間ですごく感じています。言葉が通じない、通訳を使っても選手たちにどう伝わっているかを知ることができない中で指導するには、どんな工夫が必要なのか。これは実際に来てやってみないとリアルなことは分からなかったし、特に僕の場合は言葉を使うことを武器としてきた指導者だったので、それを取り上げられるというのは、面白い挑戦になる。

少し指導スタイルや伝え方を変えたり、もっとシンプルなほうが良いのか、逆に伝えない方が良いのか、日本にいた頃とは違う思考を巡らしながら指導しているので、すごくいい経験をさせてもらっていると感じています。通訳の話で言うと、タイと違って、日本人指導者が脈々と続いてきた土壌がないので、サッカーの通訳ができる人材というのも本当に限られています。こちらの意図が選手たちに伝わらなかったりということも多々ありますが、そこも楽しみながら、通訳も育てるくらいの気持ちでやっています」

――最後にハノイFC監督としての今シーズンの目標と今後の長期的な目標をお聞かせください。

「今シーズン残りの試合で全勝することです。そのためのサッカーを作っていますし、相手を圧倒して勝ち続けることを目標としています。長期的なものとしては、結果と内容でどれだけベトナムサッカー界を驚かせるかによっても変わってくるので、そこは考えていないです。ベトナム人選手は良くも悪くも色がついておらず、真っ白なキャンバスに色を塗れるような感覚があるので、比較的早く目指すサッカーが出来上がる気がしています」

【厳選Qoly】井上尚弥を生んだ街!座間市出身でサッカー日本代表になった4名の選手

日本人がケチャドバ!海外日本人選手の最新ゴールはこちら