20日、ドイツのマクデブルクでクリスマスマーケットを狙ったテロ事件が起きた。
黒のBMWが群衆に突っ込み、9歳の少年を含む5人が死亡、200人以上が負傷する惨事となった。
21日に行われたドイツ3部のロート=ヴァイス・エッセン対シュトゥットガルト2戦では試合前に黙祷が捧げられたが、問題が起きたようだ。
『tagesschau.de』によれば、スタジアムが静まり返るなか、ひとりの男が「Deutschland den Deutschen(ドイツはドイツ人のために)」と叫んだそう。これは人種差別的スローガンとされており、これ反発した多くのファンたちが「ナチスは出ていけ!」と合唱する事態になった。
問題の発言をしたのは、ロート=ヴァイス・エッセンのファンだという57歳のドイツ人男性。彼はすぐにスタジアムから追い出されると、敷地内への出入りも禁止され、警察が捜査を開始している。
ロート=ヴァイス・エッセンの広報は「(ナチス、出ていけというのは)正しい反応だった。観客と我がクラブが、この言葉にできない発言をどう思っているかを示す、非常に明確で素晴らしいサインだった」と述べたそう。
テロ事件の容疑者として逮捕されたのは、サウジアラビア出身の50歳医師。精神医学と心理療法を専門としていたという男は、2006年からドイツで暮らしており、2016年に難民として認定されたという。
32歳でサウジを去った男はイスラム教に背を向けた異端者とされていたようで、サウジ女性がヨーロッパに逃げるのを支援することを目的としたウェブサイトを立ち上げていたとのこと。
一方、サウジ当局は、この男は人身売買業者だったとしており、過激な思想を持っているとしてドイツ側に複数回警告をしていたそう。ただ、2016年にドイツへの亡命が認められていたこともあり、その警告は無視されていたという。