「東南アジアのワールドカップ」ともいわれるASEAN三菱電機カップで優勝を飾ったベトナム代表。
7ゴールで得点王とMVPをダブル受賞したのは、ベトナム代表FWグエン・スアン・ソンだ。
グエン・スアン・ソンことラファエルソンは、ブラジルから帰化した27歳のストライカー。2018~2019年にはべガルダ仙台に在籍した元Jリーガーでもある。
2019年12月からベトナムで暮らしており、今大会で代表デビュー。圧倒的な得点力で一躍ヒーローになると、国から勲章まで授与される予定。
だが、バンコクで5日に行われた決勝戦2ndレグで悲劇に見舞われた。自分の体重が圧し掛かる形になった右脛を骨折。腓骨と脛骨を骨折する重傷だったが、ハノイに帰国後に行われた手術は無事に成功している。
大会規定に則り、タイサッカー協会会長のマダム・パン氏は、ラファエルソンのタイ滞在時の入院費用を自腹で支払ったとされている。ベトナムサッカー連盟はこの件についてこう説明した。
「大会規定では選手がアウェーで重傷を負い入院しなければならない場合、ホームチームが医療行為を行う責任を負う。
タイがホストチームであるため、タイは自国でのグエン・スアン・ソンの緊急治療のための医療条件を提供する。彼がベトナムに帰国後は、ベトナムが対応する。
ベトナムサッカー連盟、パン夫人とタイサッカー協会の支援に対する友情の精神に深く感謝している。我々はベトナムでのグエン・スアン・ソンの費用を負担する」
『Báo Dân Việt』によれば、優勝に貢献したラファエルソンは、ベトナムの大手企業から20億ドン(1244万円)相当の車2台を贈呈されたそう。また、大会中には1億ドン(62.2万円)の現金も直接授与されていたとか。
「これらの賞は、グエン・スアン・ソン選手の貢献を称えるだけでなく、ベトナムサッカー界における彼の影響力を反映している」と伝えられている。
また、ベトナム代表チームには国内企業などから400億ドン(2.4億円)の資金があつまったとのこと。ベトナムの平均月収は1730万ドン(10.7万円)ほどとされている。