「東南アジアのワールドカップ」ともいわれるASEAN三菱電機カップで優勝を飾ったベトナム代表。

7ゴールで得点王とMVPをダブル受賞したのは、ベトナム代表FWグエン・スアン・ソンだ。

グエン・スアン・ソンことラファエルソンは、ブラジルから帰化した27歳のストライカー。2018~2019年にはべガルダ仙台に在籍した元Jリーガーでもある。

2019年12月からベトナムで暮らしており、今大会で代表デビュー。圧倒的な得点力で一躍ヒーローになると、国から勲章まで授与される予定だ。

『Dại Doan Ket』によれば、ベトナム代表の韓国人監督キム・サンシク氏は、チームを強化するために新たに優秀な帰化選手を数人加えたいと考えているという。

指揮官は、「国籍を持っているなら、ぜひ招集したい。しかし、ベトナム代表のユニフォームを着るには、選手は相応しく、チームへの愛と献身を本当に示し、チームのために犠牲を払う覚悟がなければならない。それができるなら、チャンスを与えたい」と述べている。

実際にベトナムサッカー連盟副会長が「スアン・ソンの後は、ハノイ警察クラブのジャソン・パダンを狙っている。彼は若く、ベトナム代表に長期的に貢献できる可能性がある」と明言したという。

パダンは27歳の左サイドバック。フランスの名門ソショーで育成された後、ニューヨーク・レッドブルズやフランスのクラブを経て、昨夏からベトナムのクラブでプレーしている。

彼はフランス生まれでフランスのアンダー代表経験もあるが、母親がベトナム人。すでに帰化手続き中であり、数日中にもベトナム国籍を取得し、今年3月に代表デビューする可能性が高いとのこと。

そして、もうひとりの帰化候補は、ブラジル人MFヘンドリオ・アラウージョ。

30歳の彼はバルセロナの下部組織にいた選手で、スペインやポルトガルのクラブを経て、2021年からベトナムでプレーしている。

巧みなテクニックや優れた戦術的ビジョンを備えた攻撃的MFとして、ベトナム国内リーグで最高の助っ人に君臨してきたという。キム・サンシク監督は彼を高く評価しており、代表に招集したい意向だそう。

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ただ、同紙は「ベトナムサッカー連盟は帰化選手に門戸を開くものの、インドネシアのように大量に招集するのではなく、合理的な選抜と人数の計算を行う予定。連盟副会長によると、依然としてユースのトレーニングを最優先にしなければならないという」とも伝えている。

また、『Bao Dan Viet』も、「グエン・スアン・ソンの活躍は、帰化選手がベトナム代表チームにもたらす価値を裏付けた。しかし、強力で持続可能な基盤を築くために、ベトナムサッカー連盟はインドネシアのように帰化人だけに頼ることはできず、国内のトーナメントシステムの改善に注力する必要がある」として、帰化選手による代表強化はあくまで短期的なものであり、長期的には国内サッカーの底上げが必要だと指摘している。

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