J2ヴァンフォーレ甲府は13日、MF柏好文の病気療養のため治療に専念すると発表。柏がり患した病名は『Vogt-小柳-原田病』であり、全治に約3カ月ほどかかると伝えた。

この聞き慣れない『Vogt-小柳-原田病』について解説する。

Vogt-小柳-原田病とは

日本眼科学会によると、『Vogt-小柳-原田病』は急に両眼にぶどう膜炎と網膜剥離が生じて見えにくくなる疾患であり、同時に髄膜炎や難聴が生じ、しばらく経過した後に皮膚の白斑、白髪、脱毛などが生じる疾病だ。

初期症状は両眼の充血、かすみ、歪視(ゆがんで見えること)、視力低下を自覚し、眼科で検査をしてみると両眼の網膜剥離が見られ、程度や発症時期に左右差が見られることもある。症状によっては片眼だけの自覚症状や、ほとんど網膜剥離がなく視力低下もわずかばかりというケースもあるという。

さらに発症後期はぶどう膜炎の再発などにより、徐々に視力が低下する可能性もある。

杏林大の『原田病の臨床像の検討について資料2』 によると、国内では100万人の内15人がこの病に苦しんでいるという。

日本眼炎症学会によれば、『Vogt-小柳-原田病』の治療は再発を防ぐために、眼だけでなく、髄膜や耳、皮膚など全身に症状が出るため、全身の治療が必要となり、一般的には副腎皮質ステロイドを大量に全身投与する治療が行われる。

思いもよらない病にり患した柏はリリースを通じて

「病院の部屋から見える山梨の富士山は力を与えてくれます。甲府が上に行けるようソコヂカラで治療します。元気な姿で必ずピッチに戻ってきます」

と力強いコメントを寄せた。

サンフレッチェ広島時代の柏

また佐久間悟代表取締役社長も「この度、今シーズンより、ヴァンフォーレ甲府に復帰した柏好文選手が予期せぬ病から暫くの期間、活動することが出来なくなりました。クラブとしては、今シーズンのクラブスローガンである『ソコヂカラ』の根源となる大きな役割を担って頂くことを期待しており、この現状を冷静に受け止めて、柏好文選手の一日も早い回復を期待しております」とリリースを通じてコメントした。

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約3カ月の離脱を強いられることになってしまった柏だが、これまでピッチで見せてきた底力を出して病気に打ち勝ち、再び元気な姿でピッチを駆け抜けてほしい。

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