イングランド・プレミアリーグは15日、第21節でアーセナルとトッテナム・ホットスパーが対戦。
ノースロンドンのライバル同士の一戦は、アーセナルが2-1の逆転勝利を収め、首位リヴァプールとの勝点差を4ポイントに縮めた。
試合は劣勢のトッテナムが25分、コーナーキックからソン・フンミンのゴールで先制。しかしアーセナルは40分に同じくコーナーキックからドミニク・ソランケのオウンゴールで追いつくと、4分後にレアンドロ・トロサールのミドル弾で逆転する。
この試合、『U-NEXT』の中継では、過去にプレミアのアーセナルやフラムなどでプレーし、昨季限りで現役を引退した元日本代表の稲本潤一氏がベン・メイブリー氏とともに解説を務めた(実況は西岡明彦氏)。
逆転弾の場面は、トッテナムのビルドアップがうまくいかず、イヴ・ビスマが中盤でボールを奪われての失点。
アンジェ・ポステコグルー監督のチームはここ数試合、サイドバックが中央に入る“偽サイドバック”をやらないことが増えており、その理由について稲本氏はこんな風に語っていた。
稲本「サイドバックを中に入れることで、(相手の)前線の“3”のワイドをピン止めするというか。そのために(サイドバックを)高い位置へ持っていくというリスクがあるんですけど、そのリスクを、レギュラーというか使いたい選手ではないからかもしれないですけど、ちょっと安定を求めているというか、やらなくなってきていますよね」
西岡「それはやはりボールを持てる技術のある選手が揃っていればできる?」
稲本「じゃないですかね。本来右サイドバックの選手を左で使っているというところは、ファーストタッチを(利き足ではない)左足でやらないといけなくなってしまう。ちょっと…本当にちょっとの誤差でもプレミアリーグではプレッシャーをかけられるので、その辺の台所事情というか選手起用の部分でやれていないことが多いじゃないかなと思います」
トッテナムは負傷者が相次いでおり、ニューカッスル戦、カラバオカップのリヴァプール戦に続き、右サイドバックが本職のジェド・スペンスが左サイドバックとして先発出場。
持ち味は見せていたものの、やはり左サイドでのボールコントロールに慣れていない部分があり、逆転弾が生まれたのは彼のビルドアップからの流れだった。
そういった不慣れな分のリスクを考えて“偽サイドバック”戦術を控えているのでは、と稲本氏は語っていた。
ちなみに、リードを奪われた後半からトッテナムは“偽サイドバック”の立ち位置を増やしたが、得点には至らず。全体として試合を支配したアーセナルがホームでのノースロンドンダービーを制している。