2025年1月17日、多くのメディアが阪神・淡路大震災から30年が経ったと報じている。
そして、J1ヴィッセル神戸もまた、クラブ創設から30周年を迎える。現在でこそ多くのスター選手を抱え、J1リーグ連覇、国内二冠など日本を代表するチームに成長した同クラブだが、創設時には様々な苦難が存在していた。
創設当時、ヴィッセル神戸が予定していた初練習日は「1995年1月17日」。未曾有の大震災が神戸の街を襲った日だ。ヴィッセル神戸の歴史は、大きな困難と共に始まった。
クラブが公式ホームページにおいて公開しているクラブヒストリーによると、被災した神戸では練習場が日々変わる「ジプシー生活」が続いていたという。
被害が大きかった神戸市内はこの30年間で再開発が大きく進み、震災の記憶は薄れつつある。ヴィッセル神戸の中心的なサポーター層も、震災後に生まれた20代以下の人々が多くを占めている。
しかし、神戸の人々はその記憶を忘れないように、語り継ぎ続けている。2023年にヴィッセル神戸が初のリーグ優勝を達成した際には、神戸ゴール裏には「あの日の希望、今ここに輝く!」という横断幕が掲げられた。
また、同クラブの代表的な応援歌として知られる「神戸讃歌」には、震災と共に始まったクラブの歴史を反映した「俺達のこの街に、お前が生まれたあの日、どんなことがあっても忘れはしない。共に傷つき、共に立ち上がり、これからもずっと歩んでゆこう」という歌詞が刻まれており、神戸サポーターたちは毎試合この歌を歌い続けてきた。
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創設から30年。国内最高峰の強豪チームとしてすっかり様変わりしたヴィッセル神戸だが、その原点は今も全く変わっていない。