[J2第5節、ジェフユナイテッド千葉 5-1 愛媛FC、3月16日、千葉・フクダ電子アリーナ]
千葉が愛媛に5-1で大勝し、前身の古河電気工業サッカー部時代を含めクラブ史上初となるリーグ戦開幕5連勝を飾った。
この日、左サイドで途中出場したMF吉田源太郎は少ないチャンスをモノにした。4-1で迎えた後半44分にMF品田愛斗(まなと)からのパスをボックス内左で受けた背番号38は左足ダイレクトでクロスを供給。中で待っていたMF横山暁之(あきゆき)が右足で合わせて、ダメ押しの5得点目をアシストした。
四国からやって来たドリブラーが狙う下剋上
J3カマタマーレ讃岐からやって来た吉田は、J1復帰を目指す仲間たちと切磋琢磨している。
「自分は下(J3)から来たウィング。一緒のポジションの椿(直起)や田中(和樹)選手はライバルですし、絶対に超えてやろうという気持ちがあります」
この日、千葉の両翼は左から椿と田中。前節北海道コンサドーレ札幌戦(3○1)ではこの二人が得点を記録し、クラブレコードとなるリーグ戦開幕4連勝に導いた。
今季より千葉へ加入した吉田は一つ年上の田中や、同い年の椿ら強力なライバルからポジションを奪わなければならない。いまだ先発出場のチャンスをつかめていないが、途中からピッチに立てば得意のドリブルと強気のプレーで小林慶行(よしゆき)監督へアピールしている。
「自分の立場を考えれば、出場するとなれば少ない時間になるので、そこでどれだけ集中して得点やアシストをできるか。準備はもちろんですが、一番は気持ちでやることだと思っています」と結果に飢えていた。
千葉は前半の立ち上がりこそ愛媛に主導権を握られるも、両サイドを中心に相手ゴール前へ侵入。椿のドリブルや田中のチャンスメイクが得点につながり、リードを4-1とした。
吉田は後半38分から椿に代わって、左サイドで途中出場した。ライバルたちの活躍をベンチから観ていたドリブラーは攻守にわたって奮闘。なかなかゴール前でボールを受けられなかったものの、数少ないチャンスをモノにした。
4-1で迎えた後半44分に品田からのパスをボックス内左で受けた背番号38は「クロスしか考えていなかった」と迷わずに左足ダイレクトでクロスを供給。相手ゴールキーパー前に飛び込んだ横山が右足ダイレクトで合わせて、ダメ押しの5得点目をお膳立てした。
「(自分が)途中から出ることになったとき、監督に『結果を出していこい』と言われていました。(クロスを上げるときに)中を見たら横くん(横山)がいたので、自分としてもイメージ通りのクロスを上げられたと思います」と今季初アシストに笑みをこぼした。
四国学院大香川西高から四国学院大へと進学し、2023年シーズンより加入した讃岐ではリーグ戦通算82試合8得点4アシストを記録。香川からやって来た男は「讃岐でやっていたころは愛媛とのダービーで勝てていなかったですし、きょうは自分がアシストをして勝てたので素直にうれしかったです」と、自身にとって久しぶりの愛媛戦で成長した姿を見せつけた。
フクアリで5-1の快勝に貢献した背番号38だったが、「もっと自分からボールを要求しないといけない」と課題も見つかった。さらなる進化のためには、同世代のライバルたちから学ぶ部分も多いという。
「自分が(田中や椿から)見習わないといけない部分もあるので、彼らのいい部分を吸収しながら自分の良さを出していきたい。だからライバルでもあり、お互いに高め合っている仲間だとも思っています。ただその中でもポジション争いがあるので、絶対に負けたくないという気持ちはめちゃくちゃあります」
千葉は3月23日にJITリサイクルインクスタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦する。勝てば開幕6連勝となる一戦を前に、吉田の心は燃えている。
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「次は自分が点を取ります。サポーターのみなさんと一緒に頑張っていきたいです」と宣言した吉田の快進撃はこれからだ。
(取材・文 浅野凜太郎)