来季は古巣名古屋に恩返しだ!
井上は専修大を経て2023年にJ2ヴァンフォーレ甲府で大卒ルーキーながらリーグ戦30試合に先発し、ACLでも出場した5試合は負けなしと主力として活躍した。その実力が評価されて昨季名古屋グランパスに完全移籍で加入した。
名古屋U-18で過ごした井上にとってトップチーム加入は大きな目標であり、DFラインに負傷者が続出した影響で昨季開幕戦で先発出場を果たしたが、試合は0-3と大敗し、その後は定位置をつかめずにリーグ戦2試合に留まった。
目標としていたチームで活躍できなかった悔しさをバネに課題だったロングフィードやショートパスを特訓し、出場機会をつかめずとも地道に努力を重ねてきた。
背番号44は「僕が活躍している姿をもう一回名古屋の人たちに観ていただきたいですし、仙台でJ1に上がって、豊田スタジアムに戻ってみなさんの前でプレーして勝てればと思っています。
恩返しじゃないですけど、しっかり成長したところを見せたいです。まずは今年絶対にJ1へ上がって(来季は)名古屋と対戦したいですね」と目標を掲げた。
名古屋にリベンジより、「恩の方が強い」と言い切る仙台のフィジカルモンスターは、チームを戻るべき場所へ戻して古巣との戦いを望んでいる。
アカデミーでは日本代表DF菅原由勢(プレミアリーグ・サウサンプトン)、同DF藤井陽也(ベルギー1部コルトライク)と同期であり、「由勢や陽(はる)ちゃんが海外でやっているので、すごく刺激になっています。僕も地道に地に足を付けて頑張っていきたいです」と海の向こうで戦う仲間に追いつこうと努力を重ねている。
次節は20日(日)午後1時に敵地・えがお健康スタジアムでロアッソ熊本と対戦する。今季リーグ戦全試合でフル出場を果たす守備の要は、2試合ぶりの勝利に向けて燃えている。
「目の前の1試合で勝点を落としたら、プレーオフ圏内から一気に落ちちゃうので、絶対に勝点をこぼさず無失点で勝てるように、地道にやっていきたいと思います」と意気込んだ。
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仙台で急成長中のグラディエーター・井上が優れた身体能力を生かした攻守で、仙台を5シーズンぶりのJ1復帰へと導いてみせる。
(取材・文 高橋アオ)