好調の要因はパートナーからかけられた言葉
今季から邦本は遼寧で2シーズン目を迎えた。背番号が10番に変わり、さらに主将を任せられるなど、チームからの信頼は厚い。
今年5月5日時点でリーグ戦6試合1得点9アシストを記録しており、同リーグ最高のチャンスメーカーとして抜群の存在感を放っている。
邦本は時折柔らかい笑みを浮かべながら、中国でのプレーについてや、今季の好調の要因を語った。
ーー中国はすごくプレーが激しいと言われますが。
「激しく来てくれるので面白いですね。別に日本がいいとか中国が悪いとかじゃなくて、日本より中国のほうがハードワークがすごいんですよ。ボールじゃなくて足に来たりもしますけど、ここでそれを(経験)していると、どこの国に行っても多少のプレスは結構余裕かなと。気持ち(として)はあまり怖がる必要がないというか、僕はすごく楽しいんですけど、同じチームの外国人(選手)はいつも怒っていますね(笑)」
ーーブラジルで『マリーシア』という言葉がある通り、南米や欧州の選手もずる賢いプレーをするイメージがあります。ブラジル人選手が多いポルトガルとはまた違うのでしょうか。
「そうですね。ポルトガルも激しいですけど、ハードワークと言うよりは頭でプレーしている感じがあります。中国ほどハードワークがあったかと言われると、そこまで感じなかったです」
ーー中国での好調の要因は。
「正直、奥さんですね(笑)。奥さんから言ってもらった言葉とか、自分がいままで間違っていた考え方に『もっとこうしてみたら』みたいなアドバイスをくれました。僕は人付き合いが苦手なので、奥さんに言われてやってみたんです。プレーも良くなったし、人間関係も少しずつ良くなっていって、たぶんそれが継続していいプレーができている理由ですね」
ーーどのような言葉だったのでしょうか。
「恥ずかしいんですけど…(苦笑)。最初(中国に)来たときはあまり調子が上がらなくて、シンプルに『いまかっこよくないよ』『ぜんぜんプレーに貪欲でもないし、自分が活躍したいとか上を目指したいという気持ちが全然見られない』と言われました。そこからですかね。ちょっと考えると自分にも甘さがあって『あ、そうだな』と思って、そこから良くなっていきました」
ーー邦本選手が感じた日本、韓国、中国のサッカーの違いを教えてください。
「(フィジカル的な)強さでいうと中国、韓国はすごいと思うんですけど、技術面のチームプレー、パスワーク、ポゼッション率でいえば日本が抜けています。お互いがないものをお互いが持っているという印象ですね」
中国での好調の要因は、邦本を最も近くで支えるパートナーの言葉だった。最後に、様々な国でプレーしてきたレフティに、いままで自身が衝撃を受けた選手や、今後の目標について伺った。