『天才』が感じたトップクラスで戦う選手のうまさとは
かつて『天才』と呼ばれたレフティは様々な国を渡り歩き、紆余曲折を経て中国で充実したシーズンを送っている。Jリーグや世代別日本代表、アジア、欧州などで多くの実力のある選手たちと共闘、対戦してきた。
最後に邦本が衝撃を受けた選手と今後の目標について話を伺った。
ーー邦本選手がいままで衝撃を受けた選手はいますか。
「難しいですけど…全北現代のイ・ドングクという選手が一番(印象に)残っています。僕は2020年に全北に入って、そのときにリーグタイトルとカップタイトルを獲りました。そのとき、(イ・ドングクは)もう41歳だったのに、2桁以上も(得点を)取っていました。ケガをしないように(ケアを)している姿は見たことがないですが、たぶん陰ではしていると思います。40歳を過ぎてもシュート力や決定力、ボールのキープ力がずば抜けていたので、そこが一番すごいと思いました」
ーー対戦した中で衝撃的だった選手は。
「ポルトガルのカーザ・ピアのときに当たった(当時ベンフィカの)エンソ・フェルナンデス(アルゼンチン代表MF、現プレミアリーグ・チェルシー)ですかね。簡単にパスしているように見えて、実はめっちゃ難しいところを通すとか、それを平然とやっている。『トップでやっている人たちは、こういうことを普通にできるからこそトップなんだ』というのは対戦してすごく感じました」
ーー最後に、今季の目標と今後のキャリアの目標を教えてください。
「今季は個人的には10ゴール10アシスト。毎年、自分はこれを目標にしていますけど、まだ達成できていないのでそれが目標です。チームとしては、今年キャプテンをやっているので、(中国)1部昇格が目標です。
キャリアの目標は、もう1度ヨーロッパに行くことです。(憧れのリーグは)特にありませんが、スペインでやりたいですね。スペインが一番(自分に)合っていると思いますね」
かつて『天才』と呼ばれながら、Jリーグでは思い描いていたキャリアを歩めなかったレフティはいま、周りのサポートを実感しながら日々進化を遂げている。
数々の困難を乗り越えてなお研ぎ澄まされた『魔法の左足』は、これからも観る者の心を惹きつけるだろう。
【インタビュー】『天才』と呼ばれた邦本宜裕の紆余曲折のキャリア…韓国で変化したマインドとはー前編ー
邦本の挑戦は、まだ始まったばかりだ。