明治安田J1リーグは14日、ACLEのため延期されていた第14節の2試合が開催。横浜F・マリノスはホームで柏レイソルと対戦し、0-2で敗れた。

試合はスコアレスで折り返した後半、56分に小泉佳穂のゴールで柏が先制。横浜FMもヤン・マテウスや遠野大弥、エウベルらを次々投入して攻勢をかけたものの、後半アディショナルタイムに木下康介の追加点を許している。

2位柏はこれで首位鹿島アントラーズとの勝点差が1ポイントに。逆に、5連敗を喫した最下位横浜FMは19位アルビレックス新潟との勝点差5を詰めることができなかった。

今季、絶不調に陥っている横浜FM。4月18日に就任1年目のスティーブ・ホーランド監督を電撃解任したが、ヘッドコーチから昇格したパトリック・キスノーボ監督のもとでも公式戦4連敗とトンネルから抜け出すことができないでいる。

横浜FMは15年ぶりにJ1を制した2019シーズン以降、毎年のように優勝争いに絡んできた。しかし昨季9位に終わると、今季は14節終了時点でわずか1勝、勝点は8。クラブ史上初のJ2降格に待ったなしの状況だ。

いったい彼らに何が起こっているのか…。“変化”を表す一つのデータに注目が集まっている。

2015年から3年間指揮を執ったエリク・モンバエルツ監督のもとで土台を作り、2018年に就任したアンジェ・ポステコグルー監督が花開かせた「アタッキングフットボール」。

そのベースとなってきたのが、走力だ。シーズンごとのチームデータを比較してみると、「走行距離」には今季も大きな変化はない(括弧内はJ1内での順位)。

1試合平均走行距離

2018:115km(3位)
2019:117km(1位)
2020:121km(1位)
2021:120km(2位)
2022:118km(2位)
2023:117km(2位)
2024:115km(4位)
2025:119km(5位)

ところが、同じ走力でも、「スプリント回数」のデータを見てみると…。

1試合平均スプリント回数

2018:176回(3位)
2019:193回(1位)
2020:184回(2位)
2021:212回(1位)
2022:186回(5位)
2023:120回(13位)
2024:114回(17位)
2025:116回(17位)

2023シーズンからスプリントの定義が「時速24km以上」から「時速25km以上」へ変更。そのため2022以前と2023以降のデータを比較することはできないが、順位だけを見ても変化は一目瞭然。リーグのトップ5からボトム5へ転落してしまっている。

柏戦でも、走行距離は勝利した柏が128km、横浜FMが126kmとほぼ同じ。しかし、スプリント回数は柏の154回に対し、横浜FMは今季平均も下回る112回と大きな差があった。

スタイルの違いと言えばそれまでだが、横浜FMが相手に対してどこで上回るかと考えた際に、チームとしての強みは失われている。柏戦でも選手の走りが足らない印象は否めなかった。

ACLE敗退後、横浜FMの西野努スポーティングダイレクターはリーグ戦再開を前にした囲みで「短期的には5月の6連戦が山場だと思っています。ここでどういったパフォーマンスをしてどれだけ勝点を積めるか、少なくとも勝率5割、6試合中3勝。できればホームゲーム4試合を全勝したいと思っています」と語っていた。

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2連敗を喫し「最低3勝」に向けて早くも後がなくなりつつある中で、チームは17日(土)の次節、今季J1トップのスプリント回数を誇る3位の京都サンガF.C.とホームで対戦する。

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