日本代表DF森下龍矢が所属するポーランド1部レギア・ワルシャワは11日、カザフスタン1部アクトベFKとのUEFAヨーロッパリーグ(EL)予選ラウンドのホーム1stレグで1‐0と先勝した。
しかし、レギアに所属するベラルーシ代表FWイリヤ・シュクリンは、アウェイ・カザフスタンで行われる2ndレグには帯同しない。その意外な理由をポーランドメディア『Canal+Sport』が伝えている。
同メディアのクシュシュトフ・マルチニアク記者は、「イリヤ・シュクリンはカザフスタンへ行かない。健康上の理由ではなく、政治的な理由です。彼は、自身が批判してきたベラルーシの現政権がカザフスタンの治安機関と連携して自らに危害を加える可能性を恐れている」と状況を説明した。
ベラルーシは「欧州最期の独裁国家」と呼ばれており、同国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、ソビエト連邦連崩壊およびベラルーシ建国当初から実権を握っている。
1999年生まれで現在25歳のシュクリンは、ロシア1部CSKAモスクワに所属していた2020年に、インスタグラム上で「ルカシェンコ政権が続く限り、私は国を代表することを拒否する」との声明を発表していた。
カザフスタンは、ベラルーシと同じくソ連構成国の一つだった国家で、現在も両国間の貿易額が11億ドル(約1590億円)に達するなど良好な外交関係にある。
また、CSTO(集団安全保障条約機構)を通じて両国の安全協力を推進しており、2022年に発生したカザフスタン反政府デモでは、ベラルーシ軍も含めた多国籍保安部隊が派遣された。このような背景があり、ベラルーシ出身のシュクリンはカザフスタン治安当局に対して警戒心を抱いている。
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14日に開催されたポーランド・スーパーカップのレフ・ポズナン戦では、シュクリンが決勝点を挙げてチームを優勝に導いた。エースストライカー不在のELアクトベ戦では森下の奮闘にも期待がかかる。
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