J2の北海道コンサドーレ札幌は8月11日、岩政大樹監督(43)との契約を解除すると発表した。
コンサドーレ札幌は昨年、8シーズン所属したJ1から降格。2018年より7年間指揮をとってきたミハイロ・ペトロヴィッチ監督が退任し、1年でのJ1昇格を目指して白羽の矢が立ったのが岩政監督だった。
昨年ベトナム1部リーグのハノイFCで指揮をとった岩政監督は、続投を断って日本へ帰国し、昨年末に札幌からのオファーを受けた。
「コンサドーレの攻撃的なフットボールを継承し、さらに前進させていきます」と就任時に意気込みを話したが、チームは開幕4連敗と出鼻をくじかれた。
その後は徐々に盛り返してきたものの、直近3試合では昇格を争うライバルであるジュビロ磐田に1-5の大敗。先週末はV・ファレーン長崎に後半アディショナルタイムに勝ち越しを許し逆転負けを喫した。
25試合を終えて順位は10位となり、自動昇格圏である2位ジェフユナイテッド市原・千葉とは勝点差11離れる状況となっていた。
札幌の公式サイトには、岩政監督のコメントが掲載されている。
「素晴らしい時間を過ごしました。こんな場所は他にないと感じていました。本当に感謝しています。
正直に言うと、驚きの気持ちと、見え始めていたフットボールの完成形を見られない残念な気持ちがあります。しかし、悔いはないので、次に向かいます。
最後の試合の最後の場面で、攻めに行って敗れたことが今回の挑戦の全てだった気がしています。その先は、選手たちに託します。ありがとうございました」
シーズン途中での解任は2015年のイヴィッツァ・バルバリッチ監督以来となり、クラブにとって10年ぶりとなる。
後任には北海道コンサドーレ札幌U-18の監督を務めている柴田慎吾監督が就任する。
柴田監督は「アカデミーで育った指導者として、クラブの未来を担う誇りと責任を胸に、日頃よりご支援・ご声援をいただいている北海道コンサドーレ札幌に関わるすべての皆さまの笑顔のため、J1昇格を達成できるよう、オールコンサドーレでベストを尽くしてまいります」とコメントを残している。
2011年からコンサドーレ札幌で指導を行う"生え抜きの指導者"が来季30年の節目を迎えるチームをJ1昇格に導けるか。注目が集まる。