古今東西、審判の判定に対する議論は絶えずない。中には審判個人への誹謗中傷につながってしまうケースも少なくない。

イギリスメディア『BBC』は13日、プレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグ、FIFAワールドカップなどの試合を裁いた元国際審判員のハワード・ウェブ氏のインタビュー記事を公開。

その中でウェブ氏は「これまで以上にひどい」と、審判への暴言や暴力が悪化している現状を嘆いた。

今年1月、マイケル・オリバー審判員がオンライン上で殺害予告を受け、警察が調査を開始したという報道がされた。

昨年9月には、アンソニー・テイラー審判員がSNSで誹謗中傷を受け、一時的に審判活動を休止した。またテイラー氏は2023年のUEFAヨーロッパリーグ決勝で、セビージャに敗れたローマのファンに空港で詰め寄られる事件にも巻き込まれた。

ウェブ氏はこのような状況を受け「人々はこれまで以上に自分の意見を発信できるプラットフォームを持っていますが、その意見の伝え方には受け入れがたいものもあります。

昨季、我々の審判にもそのような事例がありました。これは選手やその他の関係者にも起こることです。ある意味、現代社会を反映しており、人々は強い意見を表明するものです。それ自体は普通のことですが、試合はどうしても賛否が分かれるグレーゾーンを生みます。

判定に同意できないからと言って、特定のプラットフォーム上で審判やその家族の安全を脅かすような暴言を吐くことが許されるわけではありません」と苦言を呈した。

また同氏は、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)の導入によって審判の判定に対する関心が強まり、陰謀やバイアスがかかるという認識について次のように語った。

「以前は審判がその瞬間に見たものに基づいて判断していました。現在ではVARによって異なる角度や時間をかけて判定が見直されます。それでも一部の判定はグレーなままです。

我々の課題は、その場面が本当にグレーなのか、それとも明確に判断できるものなのかを見極めることです。ですが、最終的な判定に毎回納得できるとは限らないことを理解してください」

イングランドサッカー協会(FA)の報告によると、アマチュア審判に対する誹謗中傷や不正行為の通報は年々増加しており、2023年には3636件の申し立てがあったという。

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審判に対する誹謗中傷や暴力は世界的に申告な問題であり、各国のサッカー協会や審判協会、国際組織による早急な対応が求められる。

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