先日の東アジアE-1選手権で日本代表に0-2で敗れた中国。

中国代表は日本相手に1998年以降一度も勝てないなど低迷が続いている。その中国は近年、帰化選手でチームを強化しようとしてきた。

そうしたなか、中国に帰化した中国系元スター選手のスキャンダルが現地で話題になっている。

ペルーのU-20代表経験もあったロベルト・シウチョだ(中国名は萧涛涛)。彼はリマ生まれだが、祖父が中国出身。

2019年にペルーから中国チームに移籍すると、2020年には当時中国最強チームだった広州恒大へ加入した。

その際、中国国籍を取得するために、ペルー国籍の放棄に動くも、結局は中国代表でプレーすることはなく、広州恒大でも出場機会を得られなかった。

そうしたなか、中国の『163』は「言語道断!帰化選手スキャンダル、100万ドル、BMW、国籍変更、すべて破綻」として、シウチョの問題を伝えていた。

ペルーメディアの『RPP』などによれば、シウチョは2019年に中国に帰化するべく、ペルー国籍を放棄する手続きを行おうとしていたという。

だが、彼の仲介人だったアンドレス・ウルタドが、入国管理局におけるペルー国籍離脱手続きで不正を行った嫌疑で2024年に逮捕・拘束された。

検察によると、ウルタドはシウチョの手続きが有利になるように、当局に対して利益誘導工作を行った疑いがある。シウチョが中国国籍者としてプレーすることを目指していた際に、ペルー国籍の放棄を迅速化し、容易にするための不正行為を行った疑い。

ウルタドは移民局との緊密な関係を利用して、手続きが異例の速さで完了するよう働きかけたとされている。検察によると、この介入は既存の法的手段を逸脱し、便宜供与や個人的な利益と引き換えに行われたとされており、利益誘導に該当するという。

これを受けて『163』はこう断罪していた。

「かつて中国サッカー界が混乱に陥り、資金力に恵まれていた時代、帰化選手は代表チーム強化の万能薬とみなされていた。

しかし、この道を全くの冗談のように扱う選手が必ず一人か二人はいる。元広州恒大の帰化選手シウチョは今、恥ずべき汚名を着せられる状況に直面している。帰化取得のために彼が行ったこと全てが、もはや完全な犯罪のように思えるのだ。

これはもはや秘密ではない。シウチョの国籍取得手続きを支援した主犯ウルタド容疑者が、地元当局に逮捕された。これは事実上反駁の余地のない証拠であり、シウチョの国籍変更が重大な違法行為であったことを裏付けている。

中国選手になるために彼が行った『取引』を振り返ると、それは完全な損失だった。自ら大きな穴を掘ったと言っても過言ではない。

2019年、広州恒大との高額契約を必死に確保しようと、シウチョはペルー国籍を一刻も早く放棄せざるを得なかった。彼はどのようにしてそれを成し遂げたのか。

彼は仲介人のウルタド容疑者に100万ドル(約1.4億円)という巨額の『人件費』を支払うことを約束。ウルタドの協力を得て、彼はペルー入国管理局長と『私的取引』を結び、検査を回避し通関手続きを迅速化することに成功した。取引成立後、ウルタドに感謝の印の報酬としてBMWを贈呈した。

シウチョの現状は、盲目的な貪欲が招いた必然的な結果だ。彼の将来はほぼ絶望的。現在は所属チームがなく、キャリアは事実上終わった。主犯格が逮捕された今、法の厳しい処罰を逃れることはほぼ不可避。

さらに皮肉なのは、彼が苦労して不法に取得した中国国籍が今や彼にとって無価値となり、ひいては彼に不利な法的証拠となる可能性もあるということだ」

帰化して中国代表になった反則助っ人7人

シウチョは、2023年に中国を去ってペルーに帰国したが、28歳になった現在は所属チームがない。

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