[J1第30節、東京ヴェルディ 4-2 ファジアーノ岡山、9月20日、東京・味の素スタジアム]
東京Vはホームで岡山に4-2で勝利し、リーグ戦5試合ぶりの勝点3を手にした。
この日、最前線で先発したFW染野唯月(いつき)は、1ゴール1アシストを記録する活躍を見せ、チームの大勝に貢献した。
5試合ぶりの勝利は4得点のゴールショー
「(点を)取れない中でも、もう勝つしかないという感じだった」
東京Vは直近のリーグ戦4試合連続で無得点が続き、なかなか勝点3を勝ち取れずに苦しんだ。最前線で先発起用され続けていたストライカーは、点が取れない状況に責任を感じていた。
それでも、自身を信じて起用し続けた城福浩監督や、前向きな言葉で励まし続けた森下仁志コーチ、チームメイトの存在が支えになった。
「苦しい時間もありましたし、なかなか上手くいかないときもありましたけど、(先発で)使い続けてくれた城福さん、森下さんを含めて自分にアドバイスをくれた人が、いろんなところで自分の気持ちが沈まないようにしてくれました。数字でチームの勝利に貢献できたことは自分の中でプラスというか、分岐点になりました」
前半8分に、東京Vは左コーナーキックのチャンスをつかんだ。
MF森田晃樹主将が右足で上げたボールを、染野が中央へ走りこむと、ヘディングで合わせて先制点をゲット。東京Vにとって、リーグ戦5試合ぶりの得点にスタジアムが沸いた。
さらに2-2で迎えた後半24分に、染野がロングボールに抜け出すと、右サイドからペナルティエリア内に侵入。GKと相手DFの間にグラウンダーのクロスを供給し、最後はMF福田湧矢が左足で合わせて逆転に成功した。
東京Vの背番号9は「前半から、チームとして前から行こうという話をしていたので、絶対に裏に来るなというところで、自分はラインの駆け引きをしながら裏へ抜けることができた。湧矢くんが中に入るタイミングとか、動き直しを最後まで見えていて、動き出しが良かったので、相手とGKの間にいいボールが出せたかなと」と、アシストのシーンを振り返った。
同選手は続けて「中断期間を含めて練習でも、クロスは練習していたので、それが上手く発揮できた」と、日々のトレーニングの成果が結果につながった。
その後東京Vは、さらに1点を追加し、終わってみれば4-2で快勝。長く続いた無得点が嘘だったかのようなゴールショーで幕を閉じた。
東京Vがリーグ戦で2得点以上を挙げて勝利した試合は、5月6日に行われたJ1第15節横浜FC戦までさかのぼる。
染野は「今回は前線の選手が点を取れたので、そこは冷静に(良かったと)捉えていいのかなと。なかなか点を取れなかったところで、今回4点を取れたのは大きいと思います」と、久しぶりに大勝したチームを誇った。
殊勲のストライカーは、今回の勝利を『分岐点』に、チームをさらに上の順位へ押し上げる活躍を目指す。