開幕まで1年を切った2026ワールドカップ。

日本代表は世界最速で出場を決めており、今年12月5日に共催国アメリカで行われる抽選会ではどういったチームと対戦することになるのか注目されている。

そうした中、日本と同様にアジア予選を勝ち抜いてワールドカップ出場を決めたイランは、主催国アメリカとの政治的な理由により先行きが怪しい。

イランサッカー連盟の報道官(広報責任者)アミール・メフディ・アラウィ氏は、「アメリカ政府がイランサッカー連盟関係者9名のビザ申請を却下した」と伝えた。

その中にはメフディ・タージ会長、ヘダーヤト・モンバイニ事務総長、アミール・ガレノレイ代表監督、サイード・アロウィコーチ、メフディ・モハンマドナビチームディレクターらが含まれているという。

イランメディア『フットバリ』は「FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は『イラン代表団へのビザ発給を約束する』と述べていたにもかかわらず、アメリカ政府は今回も妨害的な対応を取った」と、共催国アメリカを非難している。

イランとアメリカは長い間、核問題や中東地域での軍事的対抗、経済制裁の強化などにより相互不信が強まり、外交的な問題を抱えていた。

それでもアメリカには約200万人のイラン人が生活しており、これまでビザを申請すれば自由な行き来が可能になっていたが、ドナルド・トランプ氏が大統領に就任して以降は移民往来の抑制や安全対策の一環で厳しく制限されている。

また、昨年のイランとイスラエル間の軍事行動のエスカレーションにより、アメリカは同盟国イスラエルとの安全保障上の協調を強め、イラン人に対する警戒を高める政策を取っている。

アラウィ氏は「抽選会およびFIFAワークショップに向けたビザ手続きは引き続き進行中です。おそらく2週間以内に当初(アメリカが)発表した内容に変更が生じる可能性があります」と述べ、抽選会参加への希望を見せたが、「まだ確定的なことは言えません」とコメントした。

実は日本代表も…大会から「追放や参加禁止」になったチーム

パレスチナ・ガザ地区での軍事作戦で多くの民間人の犠牲を出しながら、スポーツの国際大会に出場し続けるイスラエルとの状況と対照的だとして、SNSなどではFIFAのダブルスタンダードな体制に不信感を募らせる声も多い。

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