近年は“若手中心”の代表チーム編成の方針もあり、一時期ほどの盛り上がりを見せていない中国代表の帰化戦略。

しかしながら、韓国代表にドイツ出身のイェンス・カストロプが初招集された話題を契機に、中国国内では再び代表チームにおける帰化選手待望論が浮上しつつある。

そうした中で、現在注目されている選手が、河南FCに所属するブラジル人DFイアゴ・マイダナだ。

U-20ブラジル代表での出場歴もある同選手は、アトレチコ・ミネイロやサンパウロなどブラジルの名門を渡り歩き、ポルトガル1部ジウ・ヴィセンテに所属していた際は日本人MF藤本寛也(現バーミンガム・シティ所属)と同僚であったことでも知られていた。

中国紙『捜狐』は、マイダナが「中国でプレーすると、ファンの熱狂的な声援がすごく多くて、ファンもたくさんいます。中国代表になりたいという気持ちが強いです」と語り、将来的な中国代表入りを示唆したことを報じた。

2024年に河南FCに移籍して以降、マイダナは優れた身体能力を活かした安定した守備で河南の躍進に大きな貢献を続けてきた。こうした背景から、中国国内では代表の守備陣の安定化のためにマイダナの帰化を歓迎する声も多く存在する。

しかしながら、同紙はマイダナが中国に来てからまだ2年しか経っておらず、代表選手として規定を満たすためにあと3年はプレーする必要があるという問題点も指摘している。

現在29歳のマイダナは、中国代表選手としてプレーできる年齢は32歳。若手中心戦略を進める中国代表の方針とは、相反するのもまた事実である。

帰化して日本代表になった7名

こうしたマイダナに関する議論のように、現在中国では自国出身の若手選手育成に注力すべきか、それともアジアの近隣国のように帰化選手による短期的な代表チームの強化を図るかで議論が二分されている。中国サッカーの未来はどちらか、今後も注目だ。

【厳選Qoly】U-20日本代表、U-20W杯での活躍が「際立っていた」5名の選手