今夏からオランダの名門アヤックスに入団した日本代表DF板倉滉。同クラブ加入前は、欧州の様々なクラブが争奪戦を繰り広げた。

アヤックスのライバルクラブであるPSVアイントホーフェンは、クラブ制作のドキュメンタリー『Ever Change a Winning Team』を公開。その中で、PSVが板倉獲得を見送った経緯が明らかになった。

PSVは、ブライトンへ移籍したフランス人DFオリヴィエ・ボスカリの後釜としてセンターバックの複数候補をリストアップしていたという。

PSVでリクルート部門の責任者を務めるトーマス・シャリンフ氏は動画内で「ボスカリの契約満了が分かっていたので、早い段階から動き始めていたんだ。板倉と(ヤレク・)ガシオロフスキが最有力候補だった」と言及。

さらに「我々は常にトップ候補の分析映像を作成します。選手のプロフィールに基づき、いくつかのカテゴリーに分けて、その選手の特徴が最もよく出るプレー集を編集します。その映像をピーター・ボス監督やテクニカルスタッフに共有するんだ。二人の能力はどちらも非常に高く評価していました。全員がそれぞれ意見を出し合い、それを最終的にまとめて、どちらが最も最適な選択なのかを判断する必要がありました」と語った。

映像では、テクニカルディレクターのアーニー・スチュワート氏が板倉とガシオロフスキについて議論する場面も映し出されている。

「価値創造という概念で言えば、ガシオロフスキの方が魅力的だと思う。我々としては板倉を獲得するのは難しい。だって、彼には〇〇百万ユーロ(金額は伏せられている)を支払わないといけなかったんだ」

続けてスチュワート氏は「それが我々の判断です。選手の価値、そして将来的なリセールバリュー。もちろん、板倉にも一定の価値はあるが、支払う移籍金に対してリターンが見合わない。だからこそ、将来的に価値を生み出せる若手を獲得すべきなんです」と板倉獲得を見送った理由を説明した。

最終的にPSVは、バレンシアから移籍金950万ユーロ(約16億7000万円)でU-21スペイン代表DFガシオロフスキを獲得。動画内では「(ガシオロフスキが)フェイエノールトに横取りされる可能性もある。彼らに取られたら非常に残念だ」と相談する場面も映し出されている。

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一方で、板倉はアヤックスと契約することになったが、もしPSVがリセールバリューではなく、即戦力の補強を望んでいたら、ライバルクラブの守備の要として活躍していたかもしれない。

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