UEFAチャンピオンズリーグ(CL)をめぐる放映権争奪戦が熾烈を極めている。
イギリスメディア『The Guardian』は22日、スポーツ配信大手DAZNが、2027年から2031年のCLグローバル放映権獲得を狙い、入札準備を進めていると報じた。
今回UEFAが設定したグローバル放映権とは、各節の試合を世界中すべての市場で優先的に配信できる権利だ。
欧州クラブ連盟(ECA)の後継であるヨーロピアン・フットボール・クラブスとUEFAの合弁組織UC3は、このグローバル放映権の価値を年間4億4000万ポンド(約877億6000万円)と試算しており、4年間総額約17億6000万ポンド(約3500億4600万円)規模に及ぶ。
今回DAZNがCL放映権の争奪戦に参戦した背景にはサウジアラビアの存在がある。
サウジアラビア政府系ファンド『Surj Sports Investment』は今年2月、DAZNに10億ドル(約1530億円)を投資して株式10パーセントを取得。DAZNは直後に、FIFAクラブワールドカップ(クラブW杯)の独占グローバル放映権に同額を投じた。
クラブW杯はブラジルなどで高視聴率を記録し、DAZNは独占的な世界配信に手ごたえを感じたという。
このグローバル放映権をめぐっては、NetflixやAmazon、Disney+といった世界的な配信企業も参入を狙っており、CL放映権をめぐる争奪戦が白熱している。
一方で、DAZNは他国リーグの投資縮小も並行して進めている。
リーグ・アン(フランス1部)放映権は1年で撤退。現在はベルギー・プロリーグ(ベルギー1部)との契約見直しを要望するなど、黒字化へ大なたを振るっている(日本ではリーグ・アン、ベルギー・プロリーグともに引き続き視聴可能)。
同社のオーナー陣は、大規模イベント中心の投資へ舵切りを求めているという。
このようなDAZNの大規模イベントへの投資と予算削減の動きは、同社が放映権を持つJリーグにも影響を及ぼすかもしれない。