J2の愛媛FCは4日、青野大介フットボールダイレクターが2025シーズンをもって退任すると発表した。
青野氏は1979年9月19日生まれの46歳。地元愛媛県の西条市出身で、愛媛FCユースから関西学院大学を経て、2002年にガンバ大阪でプロ入り。その後ヴィッセル神戸、アルビレックス新潟へ移籍し、2007年から2009年にかけて愛媛FCでプレーしたのち現役を引退した。
引退後はそのまま愛媛FCのクラブスタッフとなり、2013年からはアカデミーダイレクターとしてU-15やU-18の監督を歴任。2020年11月にゼネラルマネージャーに就任すると、2023年にJ3優勝でのJ2復帰を達成し、今年からフットボールダイレクターを務めていた。
4年目の石丸清隆監督体制でスタートした今季、序盤から最下位に低迷しながらなかなか手を打てず、5月21日に石丸監督との契約を解除した時点でやや手遅れ感が否めなかった愛媛FC。結局そのまま2度目のJ3降格が決まってしまった。
以下は退任が決まった青野氏のコメント。
「この度、2025シーズンをもちまして、愛媛FCフットボールダイレクターの職を辞し、クラブを離れることになりました。
愛媛FCは、私にとって人生のほぼ半分、実に22シーズンを過ごした、特別な存在です。
愛媛FCユース出身である私は、このクラブでサッカーの基礎を学び、外部でプロ選手として経験を積んだ後、愛媛FCのトップチームでプレーさせていただきました。そして、現役引退後は指導者、アカデミーダイレクター、そしてゼネラルマネージャー、フットボールダイレクターとして、クラブのフットボール領域全般の統括責任を担ってまいりました。
この長きにわたる歩みの中で、クラブを支えてくださった全ての皆さまに心より感謝申し上げます。
特に、アカデミーで育った選手たちがプロの舞台で躍動し、愛媛FCのオレンジのユニフォームを着て戦う姿を目の当たりにする瞬間は、指導者、そして統括責任者として最も大きな喜びでした。
しかしながら、この2025シーズン、皆さまの期待に応えることができず、J3降格という厳しい結果を迎えることになってしまいました。そして、この結果は、私の在任期間において、クラブが再びJ3へ降格するという、痛恨の事態となってしまいました。
フットボール領域の統括責任者として、この2度目の降格という結果の全ては、私の責任です。この厳しい現実は、私の統括責任能力の不足を示すものに他なりません。長きにわたりクラブの強化に携わってきながら、このような結果を招いたことに対し、ファン・サポーター、株主、スポンサーの皆さまに、心よりお詫び申し上げます。
私の使命は、愛媛FCを支えてくださる全ての方々の想いに応え、クラブの未来を切り開くことでした。残念ながら、その責務を果たすことができなかった以上、クラブがこの困難を乗り越え、新たな歴史を築くために、身を引くことが最善の道だと決断いたしました。
愛媛FCは、困難な状況に直面しても、必ず這い上がってきた歴史を持つクラブです。クラブには素晴らしいポテンシャルを持つ選手たちがいますし、情熱に溢れたスタッフがいます。そして何より、熱い想いを持ったファン・サポーターの皆さまがいます。
私は、このクラブが最短でJ2復帰を果たし、その後、更なる発展を遂げ、愛媛の地に大きな感動をもたらしてくれることを心から信じています。一歩離れた場所から、これまでと変わらぬ熱意を持って、愛媛FCを応援し続けます。
これまで多大なるご支援、ご声援を賜りましたこと、重ねて御礼申し上げます。本当にありがとうございました」
青野氏の後任は決まり次第改めて発表されるとのこと。なお、愛媛FCはJ2第35節終了時点でわずか3勝にとどまっており、クラブ史上最少勝利数記録を更新することが決まっている。
今週末は8日(土)、J1昇格争いを演じる2位V・ファーレン長崎とホームのニンジニアスタジアムで対戦する。